昭和8年の京大滝川教授事件と昭和16年のゾルゲ事件をベースにした、民主主義映画。
翌年1947年には日本社会党が政権を取った時代である。
2/1ゼネストも計画されていて、プロレタリアートが政治的に力を持った時代だ。
この映画もソホーズ、コルホーズ万歳、人民公社万歳(マンセ~)である。
東宝の労働組合が圧力をかけて、脚本を書き換えさせたそうだ。
そういう横暴に怒った黒澤の演出が、かえって冴えを見せている。
しかしもっとも印象に残ったのは、大女優・杉村春子の演技である。
父親役の大河内傳次郎も母親役の三好栄子も原節子の前では演技をやや押さえている。
しかし姑役の杉村だけは原節子の前で本気で演じていた。
だからこそ、原節子の演技も生き生きしたのだ。
はじめはお嬢様ブリッ子していた原節子が、最後の農村シーンになると異様な迫力のある演技を見せる。
以前は、youtubeにこの映画の製作現場をカラーフィルムで撮影したものがあったのだが、すでに削除されてしまった。
関係はないが、題名が同じと言うことで(静止画。)

わが青春に悔なし 1946 東宝

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