数え切れないほど見たが、やっているたびにまた見てしまう。これぞ傑作中の傑作である。
あらすじ:
高所恐怖症のスコッティは仕事中の事故で仲間を失い、責任を取って刑事の職を辞した。
そんな彼に旧友が妻マデリンの尾行を依頼する。妻は曽祖母が26歳で精神を病み自殺したことから、今年26歳の自分も自殺するのではないかと悩んでいた。やがてマデリンは海に飛び込んだり奇異な行動を取るようになる。
しかし、スコッティは美しいマデリンに同情し次第に愛するようになってしまう。
ある日、スペイン風の教会を訪れた二人だったが、突然マデリンが鐘楼へ駆け上る。高所恐怖症のスコッティは追いつけない。悲鳴がして窓を見るとマデリンが真っ逆さまに落下していった。
彼女の死は事故として処理され、スコッティはうつ病で長期の入院生活を余儀なくされる。
やがて退院したスコッティは街でマデリンそっくりの女性ジュディに出会う。最初は警戒していたジュディだったが、純粋なスコッティに愛を感じ始める。ところがスコッティは異常性を見せ始め、やがてマデリンの着ていた服をジュディに着せようとする。
感想:
キム・ノヴァクは二役演じている。これは予告編でも言っていることだからネタバレではない。
二役のうち前半のキム・ノヴァクが美しすぎる。シナトラ映画のときよりもはるかに綺麗。おそらくこれはヒッチコック監督の好みだろう。
また後半のキムは登場した時、カンザスの田舎もの丸出しである。それがジェームズ・スチュアートに愛されるために危険と知りながら彼の言うなりに上品にドレスアップしていく様が、とても悲しい。
また主要な役者がジム・スチュアート、キム・ノヴァク、バーバラ・ベル・ゲディスの3人しか出てこない。
しかし出演俳優は少ないがシーンの切り替えの少ない舞台劇では決してない。サンフランシスコ近郊でロケをしまくっている。これを2時間8分もの長編映画として完成させたのはヒッチコック監督夫妻と脚本家の功績である。
ちなみにヒッチコックはここでもカメオ出演し、造船所の前を歩いている。
監督 ・製作 アルフレッド・ヒッチコック
脚色 アレック・コッペル 、 サミュエル・A・テイラー
原作 ボワロー&ナルスジャック(フランス映画「悪魔のような女」)
撮影 ロバート・バークス
音楽 バーナード・ハーマン
タイトル ソール・バス
配役
ジェームズ・スチュアート
キム・ノヴァク
バーバラ・ベル・ゲデス
トム・ヘルモア
ヘンリー・ジョーンズ