アガサ・クリスティ原作の冒険譚、今回は吹き替え完全版で鑑賞した。
やや長い3時間ドラマながら、間延びせず、大成功している。
何しろ声優が大御所揃いである。
事件はウェールズの海岸で始まった。
ボビー・ジョーンズ(J.ワーウィック)がゴルフを楽しんでいると、見知らぬ男が崖から落ちて倒れている。
その男は死ぬ直前に「なぜエバンズに頼まなかったか」という言葉を遺した。
やがて男の妹が現れ、事故死で一件落着かと思われた。
しかしある日、ボビーは危うく毒殺されそうになる。
その話を聞いた、レディ・フランシス(フランチェスカ・アニス)の冒険心は大いにくすぐられるのだった。
さすがに「トミーとタッペンス」シリーズのパイロット版になっただけのことはある。
シリーズの最初にして、最高傑作である。
こういう作品を見ていると、ジェームズ・ワーウィックとヒュー・フレイザーが重なる。
どちらも、とぼけた味がよい。
吹き替え版で見ていると、声優の格から犯人は誰かすぐわかるのだが、証拠がなかなか出てこない。
田島令子は追加部分も一人で吹き替えをしていた。
角谷卓造はいまや「渡る世間は鬼ばかり」というより、アメリカでもっとも有名な名探偵モンクの吹き替えでおなじみになってしまった。
フランチェスカ・アニスは派手なレディ・フランシスが似合っている。
しかし庶民であるタッペンス役は似合わないと思う。
ニコルソン夫人役のマデリーン・スミスは逆にいささか地味だった。
もう少し派手な人が良かったな。
出演
フランチェスカ・アニス(田島令子)
ジェームズ・ワーウィック(ささきいさお)
リー・ローソン(橋爪功)
ロバート・ロングデン(角谷卓造)
ジョーン・ヒクソン(太田淑子)
ただ、この一作のために四枚組のDVDを買うのかは難問であろう。
ミステリーチャンネルで録画した方が良さそうだ。
IMDB
永遠のセルマ・リッター
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