新東宝配給だが、左翼ばりばりの近代映画協会作品。
貧民窟を描いたどん底映画である。

 

 

ツルは戦後の引き揚げ者で女工だったのだがリストラされ、転落の道を進んで、ついにこの河童沼部落の徳さんピンちゃんに拾われる。
二人はツルを騙して近所の特飲街に売り飛ばすが、主人とけんかして舞い戻ってしまう。
二人は主人に前借りがあったので、彼女を駅前でパンパンとして立たせる。
そこでツルは河童沼の地主の息子が持ち逃げする現場に出くわしてしまう。

 

新東宝がバックに付いたせいか名優を揃えて、どういう展開になるのか楽しみだったが、最後はお涙頂戴映画になってしまった。
当時は新藤監督とは言え、力を発揮できず作品にムラがあったと思う。
新東宝にも口を挟まれたのだろう。

 

 

監督 新藤兼人
脚本 新藤兼人 棚田吾郎
製作 吉村公三郎
撮影 伊藤武夫

 

出演
乙羽信子 (ツル)
宇野重吉 (ピンちゃん)
殿山泰司 (徳さん)
近藤宏 (輝明)
飯田蝶子 (たみ)
松山省次 (武)
藤原釜足 (安吉)
信欣三 (忠さん)
中北千枝子 (まつ江)
菅井一郎 (大場)
三崎千恵子 (お勝)
花澤徳衛 (几)
清川玉枝 (延代)
加藤嘉 (博士)
神田隆 (斎藤巡査)
下元勉 (杉村巡査)

どぶ 1954 新東宝

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