1951年日本配給、白黒映画。
貧しい子供たちに音楽教育を受けさせる学校が経営難に陥ったとき、天才バイオリニストのハイフェッツが救いの手を差し伸べる。
リトアニア生まれのユダヤ人ヤーシャ・ハイフェッツが、自ら出演し、何曲も演奏シーンを見せる。共演はジーン・レイノルズ(子役)、ジョエル・マクリー、アンドレア・リーズ、ウォルター・ブレナン、テリー・キルバーン(子役)。監督はアーチー・メイヨ、製作はサミュエル・ゴールドウィン。
あらすじ
不良少年フランキーが義父にDVを受けて家から逐電した。音楽学校の校長が彼と出会い、その絶対音階に気付き、彼を引き取り、バイオリンを学ばせる。
実は学校は経営難に苦しんでおり、校長の娘アンと恋人ピーターは債権者たちとの度重なる折衝に苦しめられていた。
発表会の日、ついに債権者との交渉は破綻して、保護者が実力行使で入り口から債権者や警察を排除した。
アンは何時迄もこんな事をしていても拉致があかない事を知っていた。そこで警察官を校内に入れる。
そのとき美しいバイオリンの響きが聞こえる。以前ハイフェッツは、学校存続のために募金活動をしていたフランキーに演奏旅行から帰ったら学校に来ると約束していたのだ。学校はフランキーとピーターがマネージャーと諦めない交渉をして、ハイフェッツを引っ張り出し、ついにメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲で学園のオーケストラと共演が行われる。そして後援者が集まり、学校が以前同様に経営を続けることができることになった。
雑感
ハイフェッツの出演シーンの演出はウィリアム・ワイラーが付けている。スケジュールがアーチー・メイヨとスケジュールが合わなかったためである。
映画は半分演奏シーンで占められていて、ジョエル・マクリー、アンドレア・リーズ、ウォルター・ブレナンが出演していながら演技的な見せ場は皆無と言える。
しかしヤッシャ・ハイフェッツの演奏は感動的だ。とくに最後のメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲第3楽章は、高速演奏なのだがソリストが浮き立っていて素晴らしい。それと言うのも伴奏のカリフォルニア・ジュニア・オーケストラが凄いからだ。ハイフェッツの演奏中の演技も良かった。コンサートマスターやチェリストと顔を見合わせて楽しみながら演奏している。なお指揮者はその演技をしていたウォルター・ブレナンの後ろにいたみたいだ。音楽監督を務めたアルフレッド・ニューマンらしい。
スタッフ・キャスト
監督 アーチー・L・メイヨ、ウィリアム・ワイラー
製作 サミュエル・ゴールドウィン
アソシエイト・プロデューサ ロバート・リスキン
原作 イルムガード・フォン・クーベ
脚色 ジョン・ハワード・ロウソン
撮影 グレッグ・トーランド
音楽監督 アルフレッド・ニューマン
配役
ヤッシャ・ハイフェッツ 本人
校長の娘アン アンドリア・リーズ
恋人ピーター ジョエル・マクリー
フランキー ジーン・レイノルズ
ローソン校長 ウォルター・ブレナン
ミラー夫人 マージョリー・メイン
楽器商フラワー氏 ポーター・ホール
フランキーの友人ライミー テリー・キルバーン