&原作のタイトルは「高校生の性典」と言うのだが、性典映画と比較して内容は大したことない。この作品は前作「十七才のこの胸に」とは違って、本間千代子がクレジット順先頭で主役格、二番は西郷輝彦が特別出演扱いで出番もやや少なく本間の相手役でもない。西郷の相手役はのちに昼メロの女王になる島かおりだ。千葉真一と宮園純子のコンビは「君たちがいて僕がいた」と同じ。
不良役が似合う岡崎二朗が新井茂子の相手役として新人扱いで出演。本間千代子と付き合うのはどうやら優等生役太田博之のようだ。他にもジャニーズの面々が出演している。歌えるできる俳優ばかりだから、歌うシーンが盛りだくさん。
この映画は、西郷輝彦のシングルA面と関係ない。nbsp;
あらすじ
美千は父と妹の三人暮しだ。高校の友人には優等生杉山、締まり屋の明子、剣道部のキャプテン相川に不良の津田などがいる。クラスに新任の戸野村先生がやって来る。彼は国語の先生だが、鉄棒の大回転が特異なスポーツマンで美千は好きになってしまう。明子も魂胆があって自分の家に先生を下宿させる。美千にはかつての親友にユリがいた。ユリは高校受験時に私生児であることを知って、高校を受けなかった。それ以来、美千との仲もギクシャクしている。
相川の姉礼子も同じ高校の教師だった。相川と明子は戸野村と礼子を結びつけようとしている。一方恵まれた美千に反感を持つユリは自分が好きな津田が美千を好きであるのを知って、美千を暴漢に襲わせようとした。しかし津田が居合わせて暴漢を殴り飛ばして、美千は救った。津田はユリを怒る撃ちに、実は彼女を愛していることに気付く。美千も戸野村のことが諦めて、黒板に戸野村と相川礼子の相合い傘を描く。
雑感
本間千代子のシャワーシーンまで「君たちがいて僕がいた」と同じ。ネタ切れになった脚本家による企画の使い回しだな。
西郷輝彦が1965年5月鹿児島体育館で帰郷ツアー中に女性ファンが殺到したため、警察官1名が亡くなる痛ましい事件が起きたため、西郷、本間コンビは自然解消されてしまった。そうでなくても、早晩二人のコンビは解消されていただろう。二人の相性や呼吸も悪かった。
本間千代子の次作青春映画の相手役は梶光夫となり、それが最後となる。本間が守屋浩と突然結婚したからである。
スタッフ・キャスト
監督 太田浩児
原作 赤松光夫
脚色 須崎勝弥
企画 秋田亨
撮影 山沢義一
音楽 木下忠司
配役
原美千 本間千代子
相川 西郷輝彦 (特別出演)
戸野村先生 千葉真一
相川先生 宮園純子
杉山 太田博之
津田 岡崎二朗
明子 島かおり
ユリ 新井茂子
川上 長沢純
春田 あおい輝彦 (ジャニーズ)
夏目 真家ひろみ (ジャニーズ)
秋山 飯野おさみ (ジャニーズ)
冬木 中谷良 (ジャニーズ)