最近、燃える秋と言うより冷える秋だが、あの頃はこんなフレーズが秋物衣料の売り出しの時、飛び交っていたものだ。
夕刊に結構大きな映画広告が出ていたのを覚えている。主演の真野響子がペルシヤ絨毯にうつ伏せになっている写真で、異様にエロチックだったのを覚えている。それが三越社長岡田茂が企画を立て東宝と三越が共同製作した映画「燃える秋」だった。
見たかったのだが、タイミングが合わなかったのでロードショーは見られなかった。
実は三越は映画前売券を取引業者だった大和運輸に押し付け販売したことについて公取が動いて、独占禁止法違反の審決が出た。これが三越事件が表沙汰になる契機となり、古代ペルシャ秘宝展の贋作騒ぎもあった。そして取締役会で社外取締役小山五郎三井銀行相談役に嵌められて、岡田茂は社長の座から引きずり降ろされ、女帝竹久みちともども特別背任罪で逮捕起訴されともに哀れな最後を迎える。こんな映画を作ったばかりに寿命を縮めた。
おかげでケチについた東宝の封印作品として映画はパッケージ化、地上波放送ができなくなった。それでも記念イベントや有料放送では上映されることもある。死ぬまでに一度で良いから見たい。
さすがに日本を代表する現代作曲家武満徹が作曲した主題歌とベストセラー作家五木寛之の歌詞だから、音楽の方はまったく封印されていない。でも山本潤子だけではなく広くに歌わせているようだ。
ちなみにハイファイセットは上映当時、三越の広告塔になってしまったが、事件が起きると当時ライバルだった伊勢丹のCMソングに乗り換えましたw。その伊勢丹も今や合併して三越伊勢丹だ。
映像は正装して歌うハイファイセット。これは三越側のプロデューサーに指示だろうな。ちょっと窮屈そう。
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