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戦死して天国に行く予定だった英軍パイロットが天使のミスで生き延びてしまう。慌てた天使は、改めて彼を天国に連行しようとするが、わずかな間に彼はアメリカ娘と恋をしてしまった。

マイケル・パウエルエメリック・プレスバーガーが共同で製作、監督、脚本した、ファンタジックなラブ・ストーリー(恋愛映画)。
テクニカラー映画で、撮影監督はジャック・カーディフ
主演デヴィッド・ニーヴン、アメリカの新鋭キム・ハンター
共演はロジャー・リヴセイ、マリウス・ゴーリング、レイモンド・マッセイ
輸入はBCFC=NCC、公開は1950年。

雑感

製作のアーチャーズとは、マイケル・パウエルエメリック・プレスバーガーが共同で作った会社のことだ。撮影のジャック・カーディフと共に映画史に残るテクニカラー作品を数多く作った。

イギリスのカラー撮影技術は、当時ハリウッドよりも上とみなされていた。日本でこの映画は、このトリオによる「赤い靴(1948)」と共に1950年に公開され、キネ旬ベストテンの第6位に入選した(「赤い靴」は第5位入賞)。

ただし、今更見ても内容にさほどの感動は得られないだろう。ファンタジーなのか単なる夢オチだったか、どっちとも取れる結末だ。
ただし、カラー映像は特筆すべきものがある。
天国のシーンを白黒、地上のシーンをテクニカラーで描いているように見える。しかしモノクロに見える映像は、フィルムを染色して同一ショット中に白黒からカラーに変わったように見せている。
このように手の込んだ映像と豪華なセットで製作期間は3ヶ月に及ぶ。下界から天上界へと続く長い巨大なエスカレーターの美術セットが一番の見ものである。

 

キャスト

飛行士ピーター・デヴィッド・カーター:デヴィッド・ニーヴン
女性通信員ジューン:キム・ハンター(のちに「欲望という名の電車の電車」でアカデミー助演女優賞受賞)
医師フランク・リーヴス:ロジャー・リヴセイ
死んだ戦友ボブ・トラブショウ:ロバート・クート
受付の天使:キャスリーン・バイロン
天使コンダクター71(フランス訛り):マリウス・ゴーリング(「赤い靴」の相手役)
天国の検事エイブラハム・ファーラン:レイモンド・マッセイ(「エデンの東」の父親役)
天国の記録官長:ジョアン・モード
天国の裁判長/下界の外科医:エイブラハム・ソファー
イギリス人パイロット:リチャード・アッテンボロー(「ガンジー」でアカデミー作品賞と監督賞受賞)

 

スタッフ

製作・監督・脚本  マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー
撮影:ジャック・カーディフ
編集:レジナルド・ミルズ
音楽:アラン・グレイ

ストーリー

第2次大戦末期。ドイツ爆撃を終えて帰還する爆撃機が敵の対空攻撃を受け故障したので、飛行士ピーターは地上に連絡を取った。それを傍受した米国から来た通信員ジューンの心にパラシュートがないのに助けを求めないピーターの誇り高き声は突き刺さる。
ピーターは、爆撃機からパラシュートなしで海に飛び降りた。ところが、彼を天国に連れて行く天使がピーターを霧のために見失ってしまう。おかげでピーターは着水し生命を失わずに済む。そして、ジューンと出会い恋に落ちる・・・。

天国では当日の死者をカウントするが、一人足りないことに気付く。記録官長は、ミスをした元フランス人の天使に連れ戻すよう命じる。ピーターは恋に落ちたことを理由に天国の措置に異議を申し立て訴訟を起こす。天使は、再番をするなら死亡した人間を弁護士に立てろと言う。
実は、ピーターはクモ膜下に腫瘍ができていて、天国の妄想を見ていたのだ。ピーターを診たフランク医師は、症状の重大性に気付き大病院で脳外科手術する手続きをする。
その夜、嵐が来て手術の時間が近づくのに救急車が来ない。フランクは自らバイクを駆って病院に連絡に行くが、途中で救急車と事故を起こし死んでしまう。ピーターは、ようやく病院に担ぎ込まれ夜間手術が始まる。
天国では、死んだフランクが弁護を引き受ける。検事は独立戦争で最初に撃たれて死んだアメリカ人で激しく攻撃してくる。しかし、フランクはジューンの涙を証拠として提出して、無罪を勝ち取る。
その頃、手術も無事に終わって、翌日には麻酔から目を覚まし、ジューンと幸せを誓い合う。

 

 

天国への階段 A Matter of Life and Death 1946 英アーチャーズ製作 イーグル・ライオン配給 – パウエル=プレスバーガーのテクニカラー作品

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