伊藤大輔の監督脚本で徳川信康の一代記を中村錦之助の主演でお送りする。
徳川信康は家康の長男である。
母築山殿(今川の血を引き信長を恨んでいる)の陰謀(武田軍と結んで織田家を攻めようと企んだ)に連座させられ、処刑された。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD20501/index.html
新東宝の美女北沢典子は東映へ移籍後の作品である。
クレジットでは四番目だったが、大した役ではなかった。
信康の爺やの娘役で色っぽいところは皆無。
しかし眼がパチクリとして麗しかった。
東映の女優どもを蹴散らせていた。
見せ場はいくつかある。
文学座の重鎮杉村春子(築山殿)と俳優座の若手岩崎加根子(徳姫)が嫁姑として対決するシーン。
徳姫が高笑いで場を収めたようだったが、築山殿は信康の愛人お信乃(桜町弘子)を連れてきて正妻の嫉妬心を煽る。
かつての大映スター喜多川千鶴も徳姫お付きの小侍従の役で活躍。
築山殿が武田と通じていると言う噂を流し、信康に折檻される。
信長は月形龍之介、秀吉は原健策、家康は佐野周二、どれも年を取りすぎて目立たない。
この頃の中村錦之助は一人で芝居をしていた。
この芝居を見て錦チャン素敵と思うファンも当時は多かったんだろう。
お付きの小兵に亡くなった河原崎長一郎が出ていた。
芝居は勉強中という感じだった。
伊藤大輔演出では何カ所か時代劇のフォーマットから外れ、70年代の映画っぽい場面があった。
伊福部昭の音楽も非常に効果的。
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