原子力空母ニミッツがタイム・スリップに会い、1941真珠湾攻撃が起きる直前のハワイ沖合に現れるSF映画

製作総指揮はリチャード・R・セント・ジョーンズで、製作はカーク・ダグラスの三男ピーター・ヴィンセント・ダグラスが担当。
監督はドン・テイラーで、デイヴィッド・アンブローズ、ゲーリー・デイビス、トーマス・ハンターピーター・パウエルが脚本を書いた。音楽はジョン・スコット

主演はカーク・ダグラス、共演はマーティン・シーンキャサリン・ロス、ジェームズ・ファレンチーノ、チャールズ・ダーニング。カラー映画。

あらすじ

1980年、原子力空母ニミッツはハワイ沖を航行していた。巨大軍事産業のタイドマン社から派遣されて視察のためニミッツに乗り込んだラスキーは、艦の艦長や将校に挨拶する。
艦長は、竜巻の発生の報告を受けて、真珠湾に引き返す命令を出す。その時突然、ニミッツは青い光に包まれ、全員が謎の高周波音に苦しむ。
時間が経ち、ようやく晴れ間が出て来た。周囲にいた僚艦がいなくなっている。ラジオは、ナチス・ドイツ軍が東部戦線でソ連軍と戦っていると伝えた。偵察機を飛ばすと、真珠湾攻撃で沈められた戦艦アリゾナの写真を撮ってきた。第二次世界大戦の戦史研究家であるオーエンス中佐に、ラスキーはニミッツが太平洋戦争開戦前夜にタイムスリップしたのではないかと告げる。
近くを航行した木製ヨットが、零戦の銃撃を受ける。F14トムキャットが、零戦に応戦し撃ち落とす。ヨットの乗客のうち、生き残ったチャップマン上院議員と秘書ローレルを救助し、零戦パイロットのシムラを捕らえる。オーエンスは、チャップマンを見て気が付いた。彼は、F.ルーズベルト大統領の後継者と言われながら、太平洋戦争直前に謎の失踪を遂げていたのだ。その事実を、オーエンスの書いていたメモでラスキーも知る・・・。

雑感

なかなか、面白かった。カーク・ダグラスマーティン・シーンのような大物が、こんなSFファンタジー映画に出演してくれるだけでもありがたいのに、国防省と米海軍の完全協力を受けているのだから、迫力がすごい。
日本人が見ても、興味深い。

ラストでニミッツは、戦闘を継続することができたのだが、敢えて再び光の輪に入った。従って、歴史は影響を受けず、戦争は続いたのだ。
二度目のタイム・スリップで必ずしも元に戻れるとは限らない。もしかしたら第一世界大戦開戦前夜に行くかもしれない。
それでも、アメリカ人は家族思いだから、家族のもとに戻る可能性がわずかでもあれば、そうしたのだろう。

カーク・ダグラスマーティン・シーンや出演者一同、プロフェッショナル揃いだから、脚本に穴があろうと演技に没頭して楽しめる。
これは、カークの三男坊ピーター・ヴィンセント・ダグラス(当時25歳)が、果敢に国防省を口説き落として、これだけの映画製作をまとめたからもあるだろう。その割に興行成績は、すごく良いわけではなかったそうだが。

この映画のテーマ曲は、途中でBGMとして何度もかかっているし、ラストでははっきり分かる様に掛かる。それが岩崎宏美が歌って大ヒットした火曜サスペンス劇場の主題歌「聖母たちのララバイ」の一部なのだ。
映画音楽家のジョン・スコットがこの映画用に書き下ろした曲だが、この曲に少し手を入れた木森敏之作曲として、山川啓介の歌詞を付け岩崎宏美が歌った。
ところが、日本レコード大賞は、カバー曲が対象外なのだ。米国のサウンドトラック・レーベル関係者が抗議に来て、仕方なく木森敏之が一部盗作を認めた。そしてジョン・スコットとの合作扱いになり、レコード大賞の対象曲から漏れてしまったのだ。従って「聖母たちのララバイ」は日本歌謡大賞を取ったが、レコード大賞は細川たかしの「北酒場」が受賞した。
本当に露骨なほどのパクリだから、映画を見た人間はすぐわかったはずだ。おそらく、番組主題歌用に作ったものだから、さほど売れず忘れられるはずだったのに、岩崎宏美の熱唱が仇となって悪事が露見した。本当に日本の音楽界は屑だ。
なお、JASRACに、この曲は木森敏之単独作曲として登録されているそうだ。アメリカは、カラオケが少ないから、日本では未だにがっぽり稼いでいるのを知らないで、抗議していないだけではないか。

 

スタッフ

製作総指揮  リチャード・R・St・ジョーンズ
製作  ピーター・ヴィンセント・ダグラス(カーク・ダグラスの三男)
監督  ドン・テイラー
脚色、原作  デイヴィッド・アンブローズ、トーマス・ハンター、ピーター・パウエル
脚色  ゲイリー・デイヴィス
撮影  ヴィクター・J・ケンパー
音楽  ジョン・スコット

キャスト

マシュー・エランド大佐(艦長)  カーク・ダグラス
ラスキー(国防省官僚)  マーティン・シーン
ローレル(上院議員秘書)  キャサリン・ロス
リチャード・オーウェンス中佐(戦史家)  ジェームズ・ファレンチーノ
サーマン  ロン・オニール
チャプマン上院議員  チャールズ・ダーニング
ブラック・クラウド   ヴィクター・モニカ
ペリー中尉  ジェームズ・C・ローレンス
シムラ  スーン・テック・オー
デイモン  ジョー・ロウリー
カジマ  アルヴィン・イン
カルマン伍長  マーク・トーマス

 

***

チャップマンらは、ニミッツの中を見て、こんな新型艦があるのに自分は報告を受けていないと怒り出す。イーランド大佐は、戦場となる真珠湾にチャップマンとローレルを帰すわけにはいかないので、ヘリで近くの小島に下そうとする。しかし、真珠湾以外の場所に降ろされることに疑いを抱いたチャップマンは、パイロットに銃を突きつける。兵士が抵抗したため、銃撃戦が起き、ヘリは爆発する。オーエンスとともに小島に置き去りにされたローレルは、レーション(野戦食)の製造年月日からニミッツが未来から来たと知った。
史実通り、偵察機が零戦の大編隊の到着を知らせる。イーランド艦長は、F-14とF-15戦闘機部隊に攻撃命令を出そうとするが、青い光が彼らを取り巻き、二度目のタイムスリップが発生する。またひどい高周波信号が襲ったが、それが止んだ時、ニミッツは1980年に戻って来ていた。
真珠湾に戻り、下船したラスキーをタイドマン社の社長夫妻の車が出迎える。ラスキーは、車に乗り込んで彼らの顔を見ると、年齢は重ねていたが、タイドマン社長はオーエンス中佐に他ならず、社長夫人はローレルだった。

ファイナル・カウントダウン The Final Countdown (1980) ブライナ・プロ製作 ユナイト配給 松竹富士国内配給 タイムスリップによるSF戦争映画問題作

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