ブロードウェイのスターを夢見るダンサーたちのオーディション風景を描くミュージカル映画

1975年4月15日からスタートした、マイケル・ベネット原案・振付・演出の同名舞台劇の映画化。

監督はリチャード・アッテンボロー
脚本はアーノルド・シュルマン、撮影はロニー・テイラー
音楽・指揮はラルフ・バーンズ、作詞はエドワード・クレバン、作曲はマーヴィン・ハムリッシュが担当。

主演マイケル・ダグラス、共演アリソン・リード、テレンス・マン
70mmカラー映画。

あらすじ

ブロードウェイで演出兼振付をしているザックは、新しいショーのため男女4人ずつのコーラスを選ぼうと、オーディションを行なう。

数百人の若者がこれに応募し、16人が残った。ザックはその16人にさらにダンスとの出会いや家庭について質問し、素顔を浮き彫りにしていく。
イタリア系のマイクは末っ子で、姉のおかげでダンスに夢中になった。
禿げかけたボビーは、裕福だが実のない家族を捨ててブロードウェイを目指した。
30歳を過ぎて9歳の娘がいるシーラは、孤独だった母のためにダンサーになったが一向に芽が出ない。ビビはルックスにコンプレックスを持っていた。マギーはファンタジーの世界に逃避していた。
アルとクリスティンはカップルでオーディションを受けた。クリスティンはまだお子様で、アルが後ろからセリフを教えないと人前では話せない。
マークは、12歳で初めて射精した時に淋病ではないかと悩み牧師に懺悔したことを打ち明ける。
グレッグは、高校の頃女の子を誘ってみて初めてゲイだと気付いた。
リチーは、初体験の甘さを語る。
中国系のコニーはチビとバカにされるが、すでに23歳になった。
プエルトリコ人のダイアナは、雪を知らないばかりに演劇学校で教師に見込なしと断定された。
ドンは、妻と2人の子供を抱えウエイターをしているが、急なオーディションのたびにクビになる。
バレリーは、ブスだったが整形したらオーディションに合格するようになった。
ジュディは、両親が喧嘩ばかりしている。
ポールは、姉が死んだこと以外喋ろうとしない。
そこで一旦、コーラスは別室に移動する・・・。

雑感

この映画は、80年代ミュージカルの中でも好きなものの一つだ。それは、脚本と編集と歌が見事に短時間でなおかつ唄を使って、十六人の内面の悩みをさらけ出しているからだ。これは神業だと思う。
さらに誰が合格するか、謎要素もあって楽しい。例えば、整形美人バレリーは合格するか?

 

しかし今になって振り返ると、みんなの前で順番に自分の過去の恥を晒すのは、まるでアル中の集団セラピー自己成長セミナーのようだ。

オーディションでそれをやると、今ではパワハラの可能性がある。
でもこれが当時は受け入れられたのだ。
日本で成績の上がらない管理職が、セミナーで滝に打たれたり、過去の誤りを人前で発表したりして泣かされていた。アメリカのセラピーと日本のスパルタ教育の悪しき合体だったと言えよう。

でも一時は別の道を進んだザックとキャシーが向かい合ってお互いの過去を精算したことで、その辺のパワハラは忘れられてしまい、一種のハッピーエンドになってしまう。

マイケル・ダグラスは歌っていない。父親のカーク・ダグラスは、歌うの嫌いでは無さそうだったが、息子は乗り気では無さそうだ。
実は、ザック役にはジョン・トラボルタの名前が上がっていたが、ジョンではよくある映画になってしまいそうでオリジナリティにかけるということでその企画は流れた。確かにザックが歌う展開は重くなりそうだ。
マイケル・ダグラスが演じたから、さほど重々しい映画にならなかった。

音楽(歌手)

1 I Hope GET IT 全員
2 Who Am I Anyway ポール
3 I Can Do That マイク
4 At The Ballet シーラ、ビビ、マギー
5 Hello twelve Hello thirteen Hello love 全員
6 Surprise Surprise リチー
7 Nothing ディアナ
8 Dance ten Looks three ヴァル
9 Let Me Dance For You キャシー
10 ONE (Rehearsal) 全員
11 What I Did For Love キャシー
12 ONE (Finale) 全員

 

スタッフ

製作  サイ・フュアー、アーネスト・H・マーティン
製作総指揮  ゴードン・スタルバーグ
監督  リチャード・アッテンボロー
脚本  アーノルド・シュルマン
原作戯曲  マイケル・ベネット
撮影  ロニー・テイラー
振付  ジェフリー・ホーナディ
指揮、編曲  ラルフ・バーンズ
作詞  エドワード・クレバン
作曲  マーヴィン・ハムリッシュ

 

キャスト

マーク  マイケル・ブレヴィンス
ダイアナ  ヤミール・ボージェス
キム  シャロン・ブラウン
リッチー  グレッグ・バージ
ザック  マイケル・ダグラス
ポール  キャメロン・イングリッシュ
アル  トニー・フィールズ
クリスティン  ニコール・フォッシー
シーラ  ヴィッキー・フレデリック
コニー  ジャン・ガン・ボイド
ビビ  ミシェル・ジョンストン
ジュディ  ジャネット・ジョーンズ
マギー  パム・クリンガー
ヴァル  オードリー・ランダース
ラリー  テレンス・マン
マイク  チャールズ・マクゴアン
ケイシー  アリソン・リード
グレッグ  ジャスティン・ロス
ドン  ブレイン・サヴェージ
ボビー  マット・ウエスト

ネタばれ

オーディション会場にレオタード姿のキャシーが飛び込んで来た。彼女はザックと恋人同士だったが、彼を捨ててハリウッドヘ行った。しかし一年経っても仕事がなくて、この街に舞戻ってきた。
そんなキャシーにザックが「主役を張った人間がコーラスを出来るわけがない」と断言する。しかし彼女は、ダンスしかないと叫ぶ。最後は、ザックが根負けして、コーラスの実演試験を受けろと言う。

再びポールだけが戻って来て、自分はゲイでドラーグクイーンの仕事ばかり与えられていて父母に見つかったことを教えてくれた。
だがポールは、実技試験を踊るうち、足を故障して入院してしまった。

すべてのオーディションは終り、選考結果が発表される。
ヴァル、マイク、リチー、ビビ、ダイアナ、マーク、ボビー、そしてキャシーが残った。ザックは、練習の日程を発表して今日は解散だ。引き上げようとするキャシーを食事に誘うのだった。

コーラスライン A Chorus Line 1985 エンバシー製作 コロンビア配給 松竹富士国内配給

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