戦前からのラジオドラマブルース・リーが出演したことで知られるテレビドラマを、ミシェル・ゴンドリー監督がリメイクしたアクション映画
アンチ・ヒーローグリーン・ホーネット」に変身した主人公と相棒が、彼の父親の死を乗り越えて悪人どもに正義の鉄槌を下す。
主演はコメディアンのセス・ローゲン台湾ジェイ・チョウ
共演はキャメロン・ディアスデヴィッド・ハーパー、「イングロリアス・バスターズ」のクリストフ・ヴァルツ

あらすじ

新聞社社長のバカ息子ブリットは、楽しく遊んで暮らしていた。ところが突然ハチに刺されたショックでブリットの父親が死んで跡を継がなければならなくなった。
葬儀の後、ブリットはカンフーと発明が得意な運転手カトーとともに黒づくめの格好をして、憎んでいた父親の銅像の首を切断して持ち去る。
愛車ブラックビューティに乗り込むと、たまたまカップルを襲っていた連中を二人は見つけたので、奴らをコテンパンに退治する。それに味を占めた二人は、町の悪党どもを徹底的にブチのめすアンチ・ヒーロー「グリーン・ホーネット」を名乗ろうと決心する(緑のスズメバチは獰猛だと思われているので)。

ブリットは、まずレノア・ケースと言う有能なアシスタントを採用し、この町にどんな不正があるか教えてもらう。どうやらロシア・マフィアであるチュドノフスキーが、町を食い物にしているらしい。ブリットとカトーは、チュドノフスキーの拠点を爆破し、彼を挑発する。新聞社の編集者マイクは、チュドノフスキーについての記事を紙面に出すと、危険だと警告する。

ブリットは、レノアのこと大いに気に入りディナーに誘う。ところがレノアはカトーと出かける。ブリットは、カトーが止めるのも聞かずチュドノフスキーに誘い出されて、あわやのところで敵の腹心の一人を殺し、もう一人の片目を潰して何とか逃げ切る。
しかもブリットは、カトーとレノアができていると誤解してしまい、二人をクビにしてしまう。
ところが、チュドノフスキーはグリーン・ホーネットに1万ドル払うから悪党同士の誼で、今や目の上のタンコブとなったブリット社長を暗殺してほしいと依頼する。そしてブリットに復讐したいと思っていたカトーが、そのメールを受け取る・・・。

雑感

この作品の評価はあまり高くない。原因はどうやら、テレビドラマとの関係にありそうだ。
原作は1936年に開始して1952年まで続いた長寿ラジオドラマ(原案はG.W.トレンドルで、製作総指揮の父であり「ローン・レンジャー」の原作者)である。「バットマン」がDCコミックに初登場したのは、それより遅れて1939年である。だから「グリーン・ホーネット」が本家である。1940年代には劇場版連続活劇となったこともある。
その後テレビ版バットマンの人気に肖って、本家である「グリーン・ホーネット」も1966年から一年間テレビドラマ化されている。翌年にはミノルタ提供で日本でも放映された。再放送が夕方に流されていたのをよく見た記憶がある。
テレビドラマでは、ヴァン・ウィリアムズ演ずるブリット/グリーン・ホーネットは新聞が裁けぬ悪を討つ正義の味方であり、ブルース・リー演ずるカトーが、カンフー空手で大柄な白人を薙ぎ倒すのが気持ち良かった。

ところが、2011年映画版ではかなり設定が変わっていて、主演の一人セス・ローゲンがコメディアンであるため脚本家を兼ねていて、全編ほぼコメディになっている。その辺が悪ノリしすぎであり、「ダークナイト」のパロディに過ぎないと考えられているようだ。
しかしそれほどダメだろうか?
確かにこれでは続編を期待できない。テレビ版で、味方でありナレーターでもあったスキャンロン地方検事犯人役になってしまったのも残念だ(でも絶対必要なキャラでもなかった)。

この作品は、ショーン・コネリーも007シリーズの中に挟み込まれた1967年デヴィッド・ニーヴンとウディ・アレン版「カジノ・ロワイヤル」なのだ。めくじら立てる必要はないし、新作を作りたければ、企画をリブートすれば良い。
そう考えると、この映画はパロディ映画として悪くないと思える。それでも悪いと思っているのは、原理主義者か「グリーン・ホーネット」をあまり知らない人だろう。気にするな。

 

主役「カトー」のキャラは、もちろん日本人という設定だが、中国育ちで中国武道を身に付けている。「宇宙大作戦」でも乗組員「カトー」が出てくるが、「グリーン・ホーネット」の影響もある。

テレビキャラのスライド登板は、ブリット、カトーの他に、レノアもスキャンロンもそうだ。

スタッフ

監督  ミシェル・ゴンドリー
脚本、製作総指揮  エヴァン・ゴールドバーグ、セス・ローゲン
撮影  ジョン・シュワルツマン
音楽  ダニー・エルフマン
製作  ニール・モリッツ
製作総指揮  マイケル・グリロ、オリ・マーマー、ジョージ・W・トレンドル・Jr

キャスト

ブリット・リード/グリーン・ホーネット  セス・ローゲン
カトー  ジェイ・チョウ(台湾)
レノア・ケース  キャメロン・ディアス
ベンジャミン・チュドノフスキー  クリストフ・ヴァルツ
アンナ・リー  アナリー・ティプトン
マイケル・アックスフォード  エドワード・ジェームズ・オルモス
タッパー  エドワード・ファーロング
ジェームス・リード  トム・ウィルキンソン
スキャンロン  デヴィッド・ハーバー

ネタばれ

一方、ブリットは、味方だと思っていた地方検事スカンロンこそが父を事故に見せかけて殺した犯人であることを知る。スカンロンは、チュドノフスキーと裏で手を結び、甘い汁を吸っていたのだ。それを追求しようとした父はスカンロンの手にかかり毒殺されたのだ。
レストランでスカンロンとブリットが話し合いをしているところに、チュドノフスキーに雇われた黒マスクのカトーが現れる。しかし話を聞いていたカトーはブリットを暗殺するのをやめ、チュドノフスキーと戦うことを決意する。
チュドノフスキー一味とグリーン・ホーネットの銃撃戦が始まる。一味に新聞社内に追い詰められたグリーン・ホーネットは、ついにチュドノフスキーを殺し、スカンロンもブラックビューティで社長室から地上に突き落とす。
警察に追われた二人は、レノアに助けを求める。レノアが、まさか社長たちがグリーン・ホーネットと知らなかったので驚く。
翌日ブリットは、マイクを編集主幹に昇進させ、仲間に引き摺り込んだレノアの給与を倍増する。そしてグリーン・ホーネットとしてカトーと町の犯罪者どもを成敗する日々に戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

グリーン・ホーネット The Green Hornet 2011 オリジナル・フィルム+K/Oカメラ製作 ソニー・ピクチャーズ配給 ブルース・リーが出演した懐かしのテレビドラマの映画化

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