2004年01月01日(木) No.87
監督 : 小津安二郎
製作 : 山内静夫
脚本 : 野田高梧 / 小津安二郎
撮影 : 厚田雄春
音楽 : 黛敏郎
配役:
笠智衆 (林啓太郎、父親)
三宅邦子 (林民子、母親)
設楽幸嗣 (林実、息子)
島津雅彦(林勇、息子)
久我美子 (有田節子、おばさん)
三好栄子 (原田みつ江、強烈なおばあちゃん)
田中春男(原田辰造、杉村春子の亭主)
杉村春子 (原田きく江、近所のおばちゃん)
高橋とよ(大久保しげ)
東野英治郎 (富沢汎、再就職した近所のおじさん)
長岡輝子 (富沢とよ子)
大泉滉 (丸山明、近所の亭主)
泉京子 (丸山みどり、大泉のやたらと色っぽい妻)◎
佐田啓二 (福井平一郎、英語の家庭教師、久我美子といい仲)
沢村貞子(福井加代子、平一郎の母)
須賀不二夫(学校の伊藤先生)
殿山泰司(押売りの男1号)
佐竹明夫 (防犯ベルの男、押し売り2号)
桜むつ子 (おでん屋の女房)

NHKBSも2004年新春からやってくれる。
おならプーの話だ。
平屋の文化住宅に住む家同士の近所つき合いと子どもたちの反抗期をユーモラスに描いている。

実と勇の兄弟は軽石を砕いて飲んでいる。
こうするとおならが出やすくなるのだ。
頭をつついたらおならが出るというギャグが学校で流行っている。
隣の幸造ちゃんもおならを出そうとするが、お腹を壊していて実が出てしまう。

最近、実と勇は家族がテレビを買ってくれないものでふてくされている。
父親にごちゃごちゃ言うなと言われたが、大人だって「お早よう」とか無駄なことを言ってるじゃないかと言い返す。
それ以来「お早よう」の挨拶もしない。子どもが挨拶しないから、近所の母親たちは兄弟の母親が自分たちに何か含むことがあってやらせていると思っている。

子どもたちは家を抜け出して駅前にテレビを見に行った。
それを家庭教師の先生が見つけて、ラーメンをおごってくれた。
家に帰ると、家族は怒っていたが、家にはテレビがあった。隣のおじさんが転職して電気屋に勤めたので、近所のよしみで買ったのだ。

家庭教師に軽石は体に悪いと言われて、実と勇はゴボウを代わりに食べるようになった。おならの調子は今朝もいいようだ。
幸造ちゃんは軽石を続けている。今日も実が出た。

おばさんたちの生態が楽しい。
この時代はまだ江戸時代以来の井戸端会議の伝統を受け継いでいる。
もう見なくなった押し売りも出てきた。今や営業マンだ。

平屋の文化住宅というのは、僕は一カ所しか知らない。
1964年東京オリンピック以来、一斉に高層化された。

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個人的には泉京子がよかった。亭主の大泉晃と昼まで寝間着でいる奥さんだ。
テレビを持っているので子どもたちが集まる。それを親たちが厳しく叱る。
泉京子みたいなケバイ女に息子を近づけたくないのだ。

 

お早よう (小津安二郎監督) 1959 松竹

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お早よう (小津安二郎監督) 1959 松竹” への0件のフィードバック

  1. はじめまして、TBさせていただきました。
    この映画見てブログ間でもちゃんと挨拶しようと思いました。
    ブログの趣旨にそぐわないと判断された場合には、削除して下さい。

  2. お早よう (1959)

    お…おもしろい…。別にげらげら笑うのでもなく、盛り上がりもない映画ですが、なんとも哀愁があって、微笑ましくなるのです。
    新興住宅地の隣近所のやりとりは活発だが、町内会費の受け渡しのことで大人たちの相互の不信が浮かび上がる。子供たちの間におでこを押されると、おならをするという遊びが流行っている。実と勇の兄弟は、テレビを買ってくれるよう親にねだるが父に男の子はペチャクチャ余計なこと喋るんじゃない、と叱られ、�…

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