(○)16歳の内藤洋子と20歳の田村亮のフレッシュな組合せが実現。
木下恵介の原作を木下プロに所属していた山田太一が脚色し、恩地日出夫が監督した純愛映画
カラー映画で撮影は逢沢譲
主演はテレビドラマ「氷点」に出演して人気沸騰した頃の内藤洋子と映画二作目の田村亮
共演は新珠三千代、小沢昭一、乙羽信子、林寛子(子役)。

雑感

CMタレントやモデル出身の16歳内藤洋子は、デコッ八とアイドル歌謡曲「白馬のルンナ」で有名だが、NETテレビドラマ「氷点」の養女役で一躍スターとなる。

彼女は、加山雄三映画の明るい妹役と打って変わって、根暗な役をやらせると自然で抜群の旨さだ。東宝映画で言えば、後の山口百恵とよく似たタイプだった。
20歳の田村亮は、兄田村正和より5年ほど遅れてデビューした。まだ役者でやっていくことを決意していない時期の作品だろう。デビュー時の正和より亮の方が甘ったるい声だ。
主演カップルの様子を見ていて、現実主義のヒロイン信子に対して、田村演ずる一朗は世の中に甘くて音頭差があり、二人はとても結婚できそうにないと思った。
ラストで、一朗の実母がブラジルに向け船で出航する際に、信子は間に合わず声をかけれなかったので、この映画はハッピーエンドではないと思う。

新珠三千代は、テレビドラマ「氷点」の主演だった。新珠三千代の指名で内藤洋子がドラマの義理の娘を演じた。
その際は、鬼母を演じたのだが、この映画では親身になって教え子を護ろうとする優しい教師役である。
名子役で後のアイドル林寛子が、信子の幼年時代を演じている。
小沢昭一が、信子の実父役を好演。

 

キャスト

新珠三千代  水原園子
内藤洋子  西沢信子
田村亮  吉岡一郎
林寛子  西沢信子(少女時代)
沢井正延  吉岡一郎(少年時代)
小夜福子  毛利園長
加東大介  義父吉岡光太郎
賀原夏子  義母吉岡静子
小沢昭一  信子の父西沢恒吉
乙羽信子  すえ
沢村貞子  伯母ハル

スタッフ

製作  金子正且
原作  木下惠介
脚色  山田太一
監督  恩地日出夫
撮影  逢沢譲
音楽  武満徹

ストーリー

信子は、父が各地の土木作業場を転々としたため孤児院の「あかつき子供園」に預けられた。最初は慣れない環境になじめなかったが、優しい一郎に対して懐くようになった。
やがて一郎は、平塚の裕福な瀬戸物屋である吉岡夫妻に養子となり、跡取りに成長した。両親は一郎の嫁を懸命に探していた。
そんな時、一郎は十九歳になった信子と再会した。信子の父親恒吉は、信子の勤め先に現われては前借りをするので信子は勤め先を転々と変り、平塚に戻ってきた。二人は、子供園を訪れ、今も先生である水原園子に出逢った。一郎は、信子との結婚を決意した。そのことに義父は怒った。
信子の父は、一朗に頼りなさを感じつつも、次の飯場に一人で出かけた。しかし、信子は一郎の両親のことを考えて一郎と別れる決心をし、平塚から横浜に引っ越す・・・。

「あかつき子供園」に一郎の実母すえが訪ねて来た。再婚した夫とブラジルに移民するため、明日出発するのだ。園子からこのことを聞いた一郎の義父は、一郎に「生みの親に逢いたくない人間に育てた覚えはない」と怒鳴って、翌日旅先から一郎を横浜大桟橋へ送り出す。
園子は、横浜にいる信子にもこの事を知らせた。
桟橋で、一郎は船から手を振るすえを見つけた。親子は、別れを伝え合う。そこへ信子も園子先生もかけつけた。

 

あこがれ 1966 東宝東京製作 東宝配給 内藤洋子と田村亮の初主演作

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