明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 

さて昨日の大晦日、N響第九演奏会は89歳になる名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュタット指揮ということで久しぶりに見た。

 

80年代に一度指揮したことがあるそうだ。今回の指揮は90年代に発見されたベートーベンの楽譜や最新のべートーベン研究に基づいて指揮するので前回よりかなり速くなるという。

 

オケは対向配置だ。演奏前からソリスト、合唱団はオケの後ろにいる。

 

第一楽章:
ブロムシュテットは演歌歌手のように随分体を右に傾けて指揮していた。そして演奏は言っていた通りかなり速い。

 

楽章間:
渋い顔をしてかなり間を取る。息を整えているのかもしれない。演奏が始まると要所要所でニッコリする。

 

第二楽章:
リハーサルでアクセントをつけるなと言っていたが、このことがはっきりわかるのが第2楽章。スピードは出ているが、今まで聞いたのよりずっと滑らか。

 

第三楽章:
速さを感じさせないが、実は速い緩徐楽章。休みなく第四楽章へ。
第四楽章:
ソリスト、合唱が入ってからはややメリハリがついた。ソリストはテノール以外は合格点だ。テナーはバリトンに格で負けてるしソロ部分は急ぎがちだった。
また今回の合唱はプロの東京オペラシンガーズだから学生とは迫力が全く違う。

 

全体的に非常に滑らかな演奏だった。ドンパチの演奏を期待していた人はがっかりしたかもしれない。演奏時間65分ということだけど、80年のブロムシュテットの第九CD録音が72分だから一割減だ。昔はカール・ベーム並だったのだ。しかも今回は楽章間も間合いを十分取っていたから実質63分ぐらいだろう。これ以上短いとガーディナーやノリントンら古楽系指揮者並になる。やはり大胆な解釈変更だ。

 

ブロムシュテットが何故このベートーベン解釈に至ったか素人が想像してみる。
おそらくこれ以上世界にガタガタと波風を立てたくないのではないか。
つまり「平和が一番」ということだ。

 

私も早くブロムシュテットの境地に達したいものだ。

 

これは全くどうでもいいことだが、NHKのカメラマンは随分硬派になったようだ。一時期N響のオーボエに可愛い女の子がいてやたら映していた。今回は木管パートリーダーのおっさんばかり映して右上方にいたらしい木管の女性陣にあまりカメラを向けなかった。映っても見切れていたりする。合唱団を映してもおやじと貫禄あるご婦人中心だし、そういう意味で実にお堅い撮影だったw。

 

日時 2016年12月21日

曲名 ベートーベン 交響曲第9番 合唱付き
指揮 ヘルベルト・ブロムシュテット
演奏 NHK交響楽団
テノール ホエト・プリエト
バリトン パク・ジョンミン
ソプラノ シモーナ・シャトゥロヴァ
アルト エリーザベト・クールマン
合唱 東京オペラシンガーズ
(場所 NHKホール)

N響「第九」演奏会 2016.12.31録画放送 NHK

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