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スパイ映画電撃フリントGO!GO作戦」の続編。前作より馬鹿馬鹿しさがさらに強くなっている。
ハル・フィンバーグの脚本をゴードン・ダグラスが監督したことになっているが、ジェームズ・コバーンのインタビューによると実際はジェームズ・コバーンと助監督のロバート・ヘンリーが演出しているそうだ。
主演は前作に引き続いてジェームズ・コバーン
共演はジーン・ヘイル、リー・J・コブ、アンドリュー・ダガン

ストーリー

アメリカは、ヴァージン諸島にあるロケット基地から宇宙基地の打ち上げに成功する。そこではフェミニストたちによる世界支配を目論む陰謀も動き出した。トレント大統領は、ZOWIE(アメリカのスパイ組織)のクラムデン長官とゴルフを楽しんでいたが、一瞬の隙を突かれそっくりさんの俳優とすり替えられてしまう。
違和感を感じたクラムデン長官は、事態の調査をフリントに依頼する。しかしクラムデン長官は、ヴァージン諸島にある美容リゾートに勤めるリサに嵌められ、カーター将軍に停職に追い込まれる。
クラムデンが罷免されると聞いたフリントは、ZOWIEにスパイがいると考えZOWIE本部に侵入する。しかしクラムデンの部屋は、カーター大佐に盗聴されていて、フリントの動きも筒抜けだった。フリントは逮捕され、ゴミ処理機に送り込まれる。
一度はカーターに抹殺されたに見えたフリントは、実は生きていてモスクワに向かった。知り合いのバレリーナであるナターシャに会いに行くが、危うく眠らされそうになる。女性宇宙飛行士二名をフェミニスト組織に誘拐されたソ連が、人質を返してもらうための条件として彼を逮捕しようとしたらしい。
背景に女性を洗脳する組織があることに気づいたフリントは、ヴァージン諸島に向かう。彼は美容リゾートに潜り込んで、リサと会う。リサは、彼をファッション界の大立者エリザベスに会わせる。エリザベスは、女性解放のために宇宙基地内に核兵器を配置して、世界中を脅しフェミニスト革命を成し遂げようとしていた・・・。

雑感

今、流行の女性の政治参加運動を揶揄ったようなスパイ映画
原題”In Like Flint“は、戦前の二枚目俳優エロール・フリン(しかも希代の女たらし)から来ている。”In Like Flynn” (エロール・フリンのような女たらし)という言葉が昔あったが、それを主人公フリントに置き換えたものだ。
監督ゴードン・ダグラスがやる気を見せなかったため、映画途中でスタッフジェームズ・コバーンが自分たちで演出をして撮影を続けた。ジェームズ・コバーンは、それで嫌気が差したか降りてしまい、その後「電撃フリント」シリーズは、テレビ映画で一本作られただけで終わってしまった。

20世紀フォックス独自のシネマスコープ方式最後の映画。(以後はパナヴィジョン等の別形式に変更)

スタッフ

監督 ゴードン・ダグラス
原案・脚本 ハル・フィンバーグ
製作 ソウル・デヴィッド
音楽 ジェリー・ゴールドスミス
撮影 ウィリアム・H・ダニエルズ

 

キャスト

デレク・フリント  ジェームズ・コバーン
クラムデン長官  リー・J・コッブ
リサ・ノートン(美容師)  ジーン・ヘイル
トレント大統領  アンドリュー・ダガン
カーター将軍  スティーヴ・イーナット
エリザベス(ファッション評論家)  アンナ・リー
ナターシャ(プリマ・バレリーナ)  イヴォンヌ・クレイグ

 

***

しかしカーター将軍は決して女性の味方ではなく、将軍自身が世界征服することが目的だった。彼はフリントとリサたちに銃を向け、彼らを冷凍保存室に閉じ込める。そこには、大統領もクラムデンも捕らえられていた。しかしフリントは、女性全員を連れて冷凍室から脱出し、お色気作戦を使ってロケット基地のカーター将軍一派を退治する。
カーター将軍は、自ら宇宙ロケットに乗り込み、世界に核ミサイルを向けて恐怖のどん底に落とすつもりだ。ロケットが出発直前にフリントも乗り込み、宇宙で格闘の末カーターを倒した。そして地球からの追尾ミサイルにカーター将軍とロケットが吹っ飛ばされるのを尻目に、フリントは宇宙基地で待つソ連の美人飛行士二人にの熱い歓迎を受けるのだった。

電撃フリント・アタック作戦 In Like Flint (1967) ソウル・デヴィッド・プロ製作 20世紀フォックス配給 ジェームズ・コバーンの電撃フリント第二弾

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