「さまよう青春」に続くエルヴィス・プレスリー主演映画。脚本を非常に気に入ったので、この映画を撮影するためにプレスリー自身が出頭して徴兵を先送りにしてもらった。

監督は「ホワイト・クリスマス」のマイケル・カーティズ。ハロルド・ロビンスの原作をハーバート・ベイカーマイケル・ヴィンセント・ガッツォーが共同脚色した。

主演はエルビス・プレスリー。共演者はキャロリン・ジョーンズ、ドロレス・ハート、ヴィック・モロー、。スタンダードサイズの白黒映画。

あらすじ

ニューオーリンズ。ダニー・フィシャーは、高校生だが父が失業していたので、場末の酒場「ブルー・シェイド」でボーイをしていた。バイトに明け暮れたため、昨年彼は卒業出来なかった。彼はそのことで父親を恨んでいた。
二度目の卒業式の日、夜明けの酒場でならず者に絡まれていたロニーを救った。しかし、学校へ行くと、今年も素行不良で落第させられた。

彼は不良のシャークと喧嘩するが、彼が勝つと二人はかえって意気投合する。早速、ダニーはシャークのために、店に入り一曲歌う。客や店員が、ダニーに気を取られている隙にシャークは、万引きを働く。ダニーは、ネリーと云う店員のことが気になる。その夜ダニーが酒場で働いていると、ロニーとロニーの情夫マキシーがやって来る。その辺りのヤクザであるマキシーは、ダニーに一曲歌わせた。ダニーとロニーのことを疑っているようだ。

ダニーの歌唱力は、ナイトクラブ「キング・クレオール」のオーナーに気に入られ、ダニーはクラブの人気歌手になった。
シャークは、マキシーの子分になっていた。そしてダニーの父が最近就職した薬局を襲撃する計画を立てる。閉店後、店主が近くの銀行の貸金庫に現金を預けに行くのを強盗する予定だ。店主は、いつも口喧しく父を怒鳴っていたので、ダニーも店主がどうなろうと構わないと思っていた。
ところが、実行当日は、雨でダニーの父が店主のコートを借りて、代わりに現金を運んでいた。シャークは、すぐダニーの父だと気づいたが、重傷を負わせ現金を盗んだ。さらに、過去の万引き事件を持ち出し、ダニーを脅して、もとの「ブルー・シェイド」に戻るよう命令した・・・。

雑感

数曲歌うが、ミュージカルでなく「ほろ苦青春ドラマ」であり、徴兵直前だったこともありエルビス・プレスリーは、この映画を非常に気に入っていた。
女優では、美人ではないが、存在感は非常に大きいキャロリン・ジョーンズが、全てを持っていった感じがある。
大好きな美人女優ドロレス・ハートは、本当はヒロインなのだが、影が薄い。
個人的には、ウォルター・マッソーが出ているのだから、もっとコミカルにもサスペンス風にも、話を盛り上げることができたのに、それほど盛り上がらなくて、残念だ。

スタッフ

製作  ハル・B・ウォリス
監督  マイケル・カーティズ
脚本  ハーバート・ベイカー、マイケル・ヴィンセント・ガッツォー
原作  ハロルド・ロビンス
撮影  ラッセル・ハーラン
音楽  ウォルター・シャーフ
振付  チャールズ・オカラン

キャスト

ダニー・フィッシャー  エルヴィス・プレスリー
ロニー(奥分の愛人)  キャロリン・ジョーンズ
ネリー(店員)  ドロレス・ハート
フィッシャー氏  ディーン・ジャガー
フォーティ・ニナ  リリアン・モンテヴェッチ
マキシー・フィールズ(ボス)  ウォルター・マッソー
ミミ  ジャン・シェパード
チャーリー・ルグラン  ポール・スチュワート
シャーク(子分)  ヴィック・モロー

 

***

その上シャークは、薬局強盗を警察に訴えるのを防ごうと、ダニーも強盗に加わったと告げた。ダニーの父は、息子と絶縁状態に入った。怒ったダニーは、マキシーに襲いかかるが、子分たちにに追われてしまう。そして危ないところをロニーに救われた。

ロニーは、しばらく怪我をしていたダニーを匿って治療した。ようやくダニーが動けるようになった頃、ロニーは追って来たマキシーに射たれて死に、マキシーもロニーとの同士討ちで死んだ。

翌日の晩、ダニーは再び「キング・クレオール」に姿をあらわしショーに出演する。その後、待っていたネリーに久しぶりに会った。そこに突然ダニーの父が、彼の方に歩いて来た。二人は、和解して抱き合った。

 

 

闇に響く声 King Creole (1958) ハル・B・ウォリス製作 パラマウント配給 プレスリーが徴兵される直前に撮った青春映画

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