坂本龍馬中岡慎太郎とともに暗殺されるまでの三日間を描く。
廣島三部作でブレークして、今や日本の巨匠になった黒木和雄の監督作品。
清水邦夫田辺泰志が脚本を書いている。
独特の安っぽいけど凄いモノクロ撮影は田村正毅(三里塚シリーズ、タンポポ、萌の朱雀)。
大政奉還が終わり、新政府での主導権争いが激しさを増した。
無血革命論者の竜馬(原田芳雄)は刺客を逃れて近江屋に身を隠す。
隣の質屋にとらわれている幡(中川梨恵)と懇ろになるが、
彼女の弟右太(松田優作)は薩摩藩から竜馬を討つために送り込まれた刺客だった。
しかし何故か彼は竜馬が切れない。
竜馬もこの男右太が気に入ってしまう。
竜馬が幡と寝てる最中に武闘派陸援隊の中岡慎太郎(石橋蓮司)が竜馬の命を狙いに来た。
しかし隣にいるとは知らず、引き返す。
世は「ええじゃないか」運動の嵐だ。
竜馬は奇抜なメイクをして、踊る「ええじゃないか」の連中に紛れて、右太を連れて中岡を訪ねる…

原田芳雄のふんどし姿が脳裏にこびりつく。
当時、新しい竜馬像を見せてくれた。
この竜馬がその後のスタンダードになったと言えよう。
石橋蓮司の中岡慎太郎役もいい。
ケケケと笑う中川梨恵も良い味を出している。
時代は既に1974年だが、台詞はまだ全共闘世代だ。
明治維新では、侍という無産階級が内ゲバで血を流していた。
のちに学生という無産階級が内ゲバを起こしたことと繋がってる。
「ええじゃないか」も今から見るとデモだった。
映画では謎の多い竜馬暗殺犯人について、薩摩謀殺説を取りあげている。
中村半次郎が主犯だ。
しかし最近の多数説は京都見廻組だろう。

黒木和雄監督作品集

竜馬暗殺(1974) ATG

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