久しぶりに読んだ。高校以来だろうか。
小津安二郎の映画「彼岸花」は小津、野田高伍とともに、里見が参加して企画を作った。そして小津と野田は脚本を仕上げ、里見がノベライズしたのだ。今なら珍しくもないが、当時としては話題になったろう。映画と小説は細部で違っているが、ハッピーエンドはどちらも同じである。
小説は短編小説だ。話のスピードは非常に速い。脚本を元にしているから、場面転換が速い。場面が変わると、ずいぶん話は進んでいる。父（平山）の物わかりは小説の方が良い。
それに対して映画はちょっと長いし、平山もくどかった。
小津は、のちに里見の「秋日和」も映画化した。
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里見弴「初舞台・彼岸花」 講談社文芸文庫