「おさな妻」映画は数々あれど、傑作と言えるのはこれ!(東京12チャンネル版・麻田ルミの「おさな妻」も良かったけど)
当時21才だったデビー・レイノルズが17才の主人公に扮しているのは良いとして、49才だったディック・パウエルが30才過ぎに扮するのは無理があった。(しかも彼の俳優としての引退作になった)
しかし映画会社RKOが経営難でデビー・レイノルズをMGMから借りてくるだけで人件費を使い果たしてしまったから仕方がない。
(この映画が当たって借金を何とか返せたので、ジョン・ウェインの作品がまだ当たっていたが、ハワード・ヒューズは金食い虫RKOを手放した)
ジャン・リュック・ゴダールや青山真治は個人的に苦手な映画監督だが、私と水と油の二人も賞賛しているのだから、年下好みの男性は好きなはず。

 

あらすじ

 

 

マークはオスカーを取ったほどの映画脚本家。映画会社にラブコメばかり書かせられて最近スランプ気味。今年のクリスマスはイサベラと過ごそうと計画していたが、突然知り合いの刑事が「クリスマスプレゼント」を持ってきた。それがスーザンである。彼女は男を殴った罪で感化院に送られたが、脱走してまた捕まったのだ。彼女は家庭の味を知らず大きくなったので、クリスマスぐらいは音場で普通の家庭の味を教えてやろうと刑事は考え、不良少年少女の物語を書きたいとマークが相談に来たことがあったので彼に預けることにした。マークは今日は予定があると断ったが、イサベラからの電話をスーザンが受けてしまったことでイサベラが怒り、約束をキャンセルされてしまう。スーザンは娘と言ってもおかしくない年の差だったが、一晩話を聞くうちに情が移り、イサベラにあげようと買ったミンクのコートをプレゼントした。感激したスーザンは彼の唇にブチューとキスをする。その現場にやって来たのが、友人ヴァージルと弁護士ハーベイだった。カリフォルニア州法では未成年との恋愛は犯罪である。それを阻止するためにはネバダ州にあるラスベガスまで出かけて(偽装)結婚するしかない。
しかしスーザンの方がすっかり熱を上げてしまい、彼は仕事のための旅行と称して姿を消す。マークの不在中にイサベラがやって来てスーザンに嫌がらせをするが、マークの秘書を長年勤めるモードがスーザンの側について、ミセス・クリストファーとして自信を持ちなさいと励ます。
マークはヴァージルに、熱りが冷めた頃離婚届にサインさせてくれと頼んでいた。しかし彼女は街の食堂でイチゴとピクルスに練乳を掛けて食べ始めた。これを見て妊娠に違いないと思ったハーベイがマークに報告すると、マークは勘違いしてヴァージルを殴り倒す。しかしスーザンに話を聞くと母との思い出の味だと知り一安心。さらに彼女を深く愛していたことをようやく自覚し、二人して寝室に消えるのだった。

 

 

 

 

雑感

 

何故、この映画が日本版DVD化されないのか、七不思議である。著作権がらみであることは想像に難くないが、これぐらいヒットした映画なんだから誰か何とかしてくれ。(英語版BDは所有している) ジーン・ケリーの雨中のダンスは日テレのスペシャルで何度も見ていたが、映画としての「雨に唄えば」を初めて見たのは、記録によると1977年の12月30日のゴールデン洋画劇場だ。「雨に唄えば」を見たとき、デビー・レイノルズも歌えるんだと思った。そのとき既にこの「奥様は芳紀十七才」を見ていたからだ。
その後も多くのデビー主演MGM映画を見たが、最初の感動は忘れられない。小柄でスレンダーでデコッ八なんだけどチャーミング。それはフランソワーズ・アルヌール、芦川いづみ、梓英子とダブルものがあった。今見返すと、イサベラ役のアン・フランシス(「禁断の惑星」ヒロイン)もデコッ八なのだが、全然気にならなかった。それからヴァージル役がドナルド・オコナーと勘違いしていた。(本当はアルヴィ・ムーア)「ショウほど素敵な商売はない」で二人とも出てきたから、ようやく別人と分かった。最後にモード役のグレンダ・ファレルは「犯罪王リコ」のヒロインである。

 

 

 

スタッフ・キャスト

 

監督 フランク・タシュリン
製作 ハリエット・パーソンス
原作戯曲 スティーヴ・フィッシャー 、 アレックス・ゴットリーブ
脚色 アレックス・ゴットリーブ
撮影 ニコラス・ミュスラカ
音楽 リー・ハーライン
音楽監督 C・バカライニコフ

配役
マーク ディック・パウエル
スーザン デビー・レイノルズ
恋人イサベラ  アン・フランシス
秘書モード  グレンダ・ファレル
友人ヴァージル  アルヴィ・ムーア
ハーヴェイ弁護士  レス・トレメイン

 

奥様は芳紀十七才 Susan Slept Here 1954 RKO配給 デビー・レイノルズ、ディック・パウエル主演

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