武田泰淳の「ひかりごけ」と並び称せられる、海洋飢餓小説である野上彌生子の作品「海神丸」を新藤兼人の監督脚本で映画化した。

船長役の殿山泰司、海女役乙羽信子、船頭役佐藤慶と船長の甥役山本圭の実質的四人芝居。

シケで遭難してどこを進んでいるのか分からなくなって30日が経ち、飢えと乾きで全員の頭がおかしくなり、ついに人を食べたくなる。そして最初の殺人が起きる・・・
犯人たちは法の裁きを受ける前に神仏の裁きを受けるのだった。

 

山本圭は殆どデビュー作かな。最初から強烈な作品にあたった。

佐藤慶の出世作でもある。

佐藤慶といい仲になる、未亡人の乙羽信子はまだ色気も残ってたと思うが、おばちゃん役を熱演。

船長の殿山泰司はいつもマイペースだ。

音楽は林光が担当している。
ミュートの聞いたトランペットで、ジャズ調になっている。
途中、金比羅様(観世栄男)が現れるシーンは、能楽が掛かっている。同年の「しとやかな獣」(川島雄三監督)と関係があるのか?(同映画では能楽をバックに浜田ゆう子がツイストを踊る場面が有名。脚本はやはり新藤兼人

 

監督 新藤兼人
製作 絲屋寿雄 、 能登節雄 、 湊保 、 松浦栄策
原作 野上彌生子
脚色 新藤兼人
撮影 黒田清巳
音楽 林光

 

配役
亀五郎 殿山泰司
八蔵 佐藤慶
五郎助 乙羽信子
三吉 山本圭
こんぴらさん 観世栄夫
亀五郎の女房 渡辺美佐子

 

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人間 1962 近代映画

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