いつものようにネタバレ気味です。ご注意あれ。
「予告殺人」は、新ミス・マープル・シリーズの第四弾らしい。
この話も「牧師館の殺人」同様に、やや消化不良なドラマ化だった。
ジョーン・ヒクソンの「予告殺人」の方が、放送時間二時間半と長かったせいもあり、丁寧に作られていた。
今回のドラマでは、せっかくバンチ・ハーモン(牧師夫人)の存在を省略して時間を稼いだのに、それを無駄なミス・マープルの推理シーンに費やしている。
おかげで初見の視聴者は、クリスティが張った迷路に誘導されることなく、ストレートに真犯人に行き着けたのではないか?
そうしないといけない理由も分かる。
役者の格が違い過ぎるのだ。
出演者の中で誰もが名前を知っているのは、ゾーイ・ワナメイカー(レティシア役、「ハリー・ポッターと賢者の石」のミス・フーチ役が有名。)とシェリー・ルンギ(スウェッテナム夫人役、「フランケンシュタイン」「ミッション」「ゲームの達人」)ぐらいのものだ。
これらの演技力で、ジェラルディン・マッキーワンに敵うわけがない。
だから演出家がマッキーワンに頼ってしまうのか、マッキーワンがそういうシーンを要求するのか、どちらか知らないが、彼女が目立ち過ぎている。
もう少しミス・マープルの登場シーンを減らした方が良いだろう。
この「予告殺人」にも、いいところがある。
出演者に美人が多いことだ。
前作では、フィリッパしか好みのタイプはいなかった。
この作品では、フィリッパ(キーリー・ホークス)よりジュリア(シエナ・ギロリー)の方が好みであった。
クレア・スキナー演じるエイミーもなかなか良い。
シェリー・ルンギも年増だが、今なお魅力的だ。
ヒンチとエイミーがレズビアンである、というのは思った通りである。
ついでに言うと、ゾーイ・ワナメイカーは「ひらいたトランプ」でオリバー夫人を演じている。

予告殺人 2005 ITV

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  1. 予告殺人(ミス・マープル)

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    アガサ・クリスティー特集「名探偵ポワロ」&「ミス・マープル」
    昨日の作品はケチョンケチョンにけなしたYuseumですがσ(^◇^;)、
    今日は楽しめました(^_^)v
    この作品はYuseumの好きな作品の一つなので、正直ドラマの出来をかなり心配しましたが、『予告殺人』という作品の持つミステリ的な魅力やエッセンスを、95分という短い時間の中でよく表現できていたと思います。
    『予告殺人』 A MURDER IS ANNOUNCED
    予告殺人posted wi…

  2. ミス・マープル「予告殺人」

    「ミス・マープル」やるならこれだろと思っていたら、来た(今回、何を放映するか全然予備知識がなかったので)。
    マープルのアクティブさにもちょっと慣れたので、まあこのままいけるだろう。今回は怪我をしていないので、もう動きが速くて[:ニコニコ:] ただ、昨日書いたように「これぞ決定版!」という気は、今のところしない。
    最後のほうになって、ようやく「そうそう、こうだった」と思い出す始末で、おかげでドラマそのものを楽しめた。
    引っ掛けはクリスティの得意技なので、まさかと思ったり、この人は犯人でないと思い…

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