あらすじ

 

伊豆諸島の神津島から東京に就職した一八(坂本九)が同じ境遇の仲間と青春を謳歌しながらも、恋の方は相変わらず連敗に終わるお話。

 

 

雑感

 

それまで東宝映画に出演してキャラクターを固めていた坂本九が「上を向いて歩こう」(日活)に続いて、松竹大船撮影所に乗り込み青春音楽映画を撮影した。
共演は東宝でも共演を重ねたジェリー藤尾、ダニー飯田とパラダイスキングの面々、さらに桑野みゆき、十朱幸代、ジェリー藤尾の元妻渡辺とも子が花を添える。
監督は「燃えよ剣」の市村泰一で、山田洋次が共同脚本を書いている。

東宝映画の「アワモリ君」シリーズでは、坂本九の相手役は先日亡くなった森山加代子だったが、ここでは妹役に渡辺とも子、初恋の人に十朱幸代、そしてマドンナ役に桑野みゆきを配する。森山加代子も桑野みゆきの妹役で最後に少し顔を出す。

脚本の山田洋次が娯楽映画作家としてのスタイルをつかんだ作品だ。主役はマドンナと仲良しになりながら、最後は振られる。これがシリーズ映画を盛り上げるコツなのだ。

松竹専属スターの出演は桑野みゆきだけと予算は抑えたシスター映画(併映用の中編映画)だが、挿入歌と話の筋書きがマッチしていて、なかなか脚本も演出も充実していた。

 

 

スタッフ・キャスト

 

監督 市村泰一
製作 今泉周男
脚本 山田洋次 、 不破三雄
撮影 小杉正雄
音楽 ダニー飯田

 

配役:
海野一八 坂本九
妹清子 渡辺トモコ
江川不二夫 ジェリー藤尾
大津町子 十朱幸代
小島さよ子 桑野みゆき
妹かよ子 森山加代子
金森てつ 浦辺粂子

長谷部弘 山下洵二
電気屋 石川進
郵便屋 ダニー飯田

九ちゃん音頭 1962 松竹大船制作・配給 坂本九の松竹青春映画初主演作

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