一橋文哉とは、一橋のブンヤさんのこと。つまり毎日新聞だ。

昭和43年12月10日午前9時頃、府中市で三億円事件が発生している。三分間で三億円を稼いだ事件として有名だ。遺留品の多さでも目立っている。誰一人怪我をしていない。鮮やかな犯行である。
この本は時効になった、事件の真相を明らかにしている。

 

ネタばれ
まず警察官の息子が、事件直後に自殺している。彼のことを犯人だという識者も多い。小林久三氏もそうだった。
しかし自殺した男は三億円事件とは何の関わりもないと言うことだ。名刑事平塚八兵衛も父親に直接尋問して、無実の心証を得ている。
その平塚八兵衛が単独犯行説を採ったため、現場が混乱した。そのため、この事件は迷宮入りになった。

 

実は複数犯行だったのだ。犯人は実行犯ロク、混血児のジョー、そして兄貴分で元警官の「先生」の三人組である。ジョーは米軍兵士の息子であり、米軍基地にしばらく現金を隠していた。
70年頃、ロクは謎の死を遂げた。先生は時効完成後の80年代にはいってから、ジョーとともにアメリカに渡り、商売を始めた。その後、二人は袂を分かって、ジョーはサンディエゴ、メキシコのティファナ、そして中南米奥深くへ流れたようだ。当然ドラッグを扱っていたものと思われる。
一方、先生はアメリカで結婚して家族をもうける。商売を手広くやっていたようだった。

 

しかし最近、毎日新聞が接触した途端に、ジョーを捜しに日本に舞い戻り、精神病院を次々を訪問し、公安警察に事情聴取されている。ジョーは死んだのだろうか?お金を二人で山分けしたのだろうが、ジョーは早い時期に使い果たしたようだ。

派手な商売をしていた先生も、どうやら使い果たしたようだ。最後に生き残った先生は既に60歳を越えて、未来はなさそうである。

毎日新聞は先生に突撃インタービュー(6時間)を掛けた。しかし、ジョーは結局捕まらずじまいだった。ジョーが出てくれば、二人の話の食い違いを突いて、あっさりおとす事も出来たろう。
状況証拠は先生を指しているが、彼は実行犯ではない。ジョーの証言を取れなかったことから、たとえ時効でなくても訴追は困難だ。

 

ライブドアから再掲示

一橋文哉 「三億円事件」 新潮文庫

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