平凡な男があるとき日常からふと外れて、狂気で暴力に突っ走る姿を描くジョエル・シューマッカー監督の作品。
主演はマイケル・ダグラス、共演はロバート・デュバル

あらすじ

1991年夏のロサンゼルス付近。男はうだるような暑さでイライラしていた。ある瞬間に彼の本能を抑え込んでいた枷が取れて、彼は娘の誕生日を祝うため車を捨てて走り出す。別れた妻のベスと娘のアデルに公衆電話を掛けたいが小銭がない。韓国人の経営する雑貨店で両替を断られ、何か買えと言われた男はコーラを買う。店主は85セントを要求すると、ぼったくりだと怒り狂った男はバットで店を破壊するとコーラの代金1ドルを置き、お釣の50セントを取って店を出た。

2人のヒスパニック系が男に絡むが、男はあっさり撃退し、元妻ベスに電話をかける。娘への誕生日プレゼントを渡したいと言うが、家に来ることを拒否される。
先刻のヒスパニックたちが車で現れ、マシンガンを乱射する。多数の死傷者が出たが、男はたまたま全くの無傷だった。ヒスパニックたちは事故を起こし大怪我を負う。男は彼らのマシンガンやショットガンをジムバッグに詰めて立ち去った。

男はハンバーガー・チェーンの店員がモーニングタイムを2分過ぎたためにモーニングを出さなかったため、切れてしまい店内でマシンガンを乱射する。次は軍用品店主ニックがナチ野郎の差別主義者で娘へのプレゼントに買ったおもちゃを壊したので殺害する。そして彼が隠し持っていたバズーカ砲を奪い、そのバズーカで道路を破壊する。
ロス市警のプレンダーガスト刑事は、車を捨てた時から男を怪しんでいた。彼の退官の日だったが、署長に内勤しかできない事務屋呼ばわりされてムッとする。内勤をしてきたのは、外勤をしていて精神障害を持つ妻が半狂乱になったからだ。最後のご奉公に女刑事サンドラと共に怪しい男の足どりを追った。

ベス母子は男を警戒して避難していた。男は二人がいないので、娘のビデオを見て過ごす。サンドラが家に行くと、いきなり男に撃たれる。プレンダーガストは自首するように説得するが、男はいきなり銃を向けたのでプレンダーガストは彼を射殺する。彼が持っていた銃はただのおもちゃだった。

雑感

「タクシードライバー」や「ファイトクラブ」と同様にどこにでもいる市民がふと陥る狂気を描く映画。
具体的な理由は娘の養育権争いだろうが、養育費不払いなのだから彼が悪い。
でも理由はなんでも良かった。短気でいながら常に自分を押さえつけてきた彼は暴力への強い憧れがあり、いずれどこかで爆発したのだろう。

ナチスの店主は男がユダヤ人だと思わなかったのか。私も昔はカーク・ダグラスもマイケル・ダグラスもユダヤ人だと気付かなかった。アメリカ人でもわからないのだな。

この題名の元になったのは、「ロンドン橋落ちた」という懐かしい童謡だ。これと精神崩壊を掛けている。正しい原題は「London Bridge is Broken down」だが、Falling Down と言うことも多い。

キャスト

監督 ジョエル・シュマッカー
製作 アーノルド・コペルソン 、 ハーシェル・ワイングロッド 、 ティモシー・ハリス
製作総指揮 アーノン・ミルチャン
脚本 エブ・ロー・スミス
撮影 アンジェイ・バートコウィアク
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード

スタッフ

男(Dフェンス) マイケル・ダグラス
プレンダガスト刑事 ロバート・デュヴァル
男の元妻ベス バーバラ・ハーシー
刑事サンドラ レイチェル・ティコティン
プレンダガスト夫人  チューズデイ・ウェルド
ネオナチの店主 フレデリック・フォレスト
男の母親 ロイス・スミス
男とベスの娘 ジョーイ・ホープ・シンガー
フリーウェイ エブ・ロー・スミス
李(雑貨店主) マイケル・ポール・チャン
ヤードリー署長 レイモンド・J・バリー

フォーリング・ダウン Falling Down 1993 リージェンシー・エンタメ製作 ワーナーブラザーズ配給

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