名サーファーであるラルフ・カーソンをモデルにした主人公マットと二人の親友の物語。少しほろ苦い。
主演はジャン-マイケル・ヴィンセントウィリアム・カット、名脇役のゲイリー・ビューシである。スタッフでは、撮影陣がとくにいい仕事をしている。
でも撮影予算を掛けすぎて、プロデューサーが宣伝を雑にして、大赤字になったそうだ。しかし我々の世代は上映時から「ビッグ・ウェンズデーはいいぞ」と聞かされた記憶がある。

あらすじ

まず主人公三人組の紹介だ。ベアーという伝説のサーファーに導かれてマット、ジャック、ルロイは幼少期からサーフィンを楽しむようになり、やがてカリフォルニアにマットありと言われるようになる。
ジャックが恋人サリーと知り合った頃、どんちゃん騒ぎのパーティをジャック宅で開催するが、仲の悪いグループが雪崩れ込んで大げんかになる。
三人とサリー、マットの恋人ペギーはメキシコ旅行へ行くが、サーファーとして有名人のマットが絡まれて、またまた大げんかに発展する。

 

そんな青春の日々も終わりを告げ、運命の徴兵検査がやってくる。ジャックは正直に申告してベトナム戦争に従軍し、他の二人は病気を装い徴兵を免れる。
三年後、ジャックが無事帰還する。サリーの家に会いに行くとサリーは既に知らない男性と結婚していた。
彼らの友人ワクサーはベトナム戦争で戦死したが、葬儀にサーファー仲間は招かれず、マット、リロイ、ジャック三人は、ワクサーの弔いを夜中の墓地に侵入して、やり直す。

6年後、予報でビッグ・ウェンズデー(水曜日の高波)が発生しそうだと、ベアーからマットに連絡が入る。しかしジャックとルロイは既に仕事で地元から転居しており、連絡がつかない。
翌日、マットがボードを持って浜に出ると、二人は何も言わずにマットを待っていて、昔のように三人でサーフボードにまたがり漕ぎ出す。(ここが格好良すぎる!)
15mの高波が襲い掛かってきて、若いサーファーたちは挑むがサーフボードから叩き落とされて行く。

 

そんな中、ルロイ、ジャックに続いてマットがいよいよビッグ・ウェンズデーに挑戦する。マットは波に乗りパイプラインに挑戦するが、あと少しのところで失敗して海に放り出される。ジャックとルロイが慌てて助けに行くと、マットは足に負傷していただけで助かった。三人はまた大きな波が来たら再会しようを約して、それぞれの家路につく。

雑感

浜村淳がラジオで喋っていたのだったか?上映時から良作だと知っていたが、その後テレビで見て以来の鑑賞だった。調べてみると、上映から5年経った1983年に東京で見た日テレの水曜ロードショーらしい。

米ドラマ「エアーウルフ」(主演ジャン-マイケル・ヴィンセント) と記憶がごっちゃになっていたが、1983年当時日テレで放送していたずっこけスーパーマン・ドラマ「アメリカン・ヒーロー」の主役がウィリアム・カットだった関係で放送されたようだ。「超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ」の日本テレビでの放送はもっと後の1986年である。

 

映画ではジャン-マイケル・ヴィンセントもウィリアム・カットもずっと若くてカッコ良かった。内容はベトナム戦争によって失われた青春を描いている。主人公たちが馬鹿騒ぎしているのも、いつか兵士として死ななければならないと思っていたからだ。

そういう主題は別にしてサーフィン・シーンがイカしていた。とくにパイプライン(打ち上げられた高波が上から降り注ぎ、サーファーがまるで管の中を通るように見えること)は凄かった。サーフィン担当カメラマンの撮影もスタントマンの演技も命がけで大変だったろう

さらに年を経て見直してみると、ずしりと来るものがあった。

 

キャスト・出演

監督 ジョン・ミリアス (「風とライオン」に次ぐ作品)
製作 バズ・フェイシャンズ
製作総指揮 アレックス・ローズ 、 タマラ・アセイヴ
脚本 ジョン・ミリアス 、 デニス・アーバーグ
撮影 ブルース・サーティース
音楽 バジル・ポールデュリス
美術 チャールズ・ローゼン
編集 ロバート・L・ウォルフ

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出演
ジャン・マイケル・ヴィンセント マット
ウィリアム・カット ジャック
ゲイリー・ビジー ルロイ
パティ・ダーバンヴィル サリー
リー・パーセル ペギー
サム・メルヴィル ベアー

 

ビッグ・ウェンズデー (Big Wednesday) 1978 ワーナー・ブラザーズ配給 ・・・サーフィン映画の金字塔

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