筒井康隆の原作を今敏が映画化した。アニメ制作はマッドハウス、音楽はテクノミュージシャンの平沢進

キャッチコピーは「私の夢が、犯されている/夢が犯されていく」。

 

今敏は次回長編映画を制作中に亡くなってしまう。

あらすじ

 

時田浩作は夢を共有する装置DCミニを開発する。精神医療総研の研究員千葉敦子はDCミニを利用して、夢の中に現れる別人格「パプリカ」となってサイコセラピーをおこなている。
島所長の同級生で刑事の粉川は不眠症に悩んでいたので、DCミニを使った「パプリカ」によるサイコセラピーを受けはじめる。
ある日DCミニが盗まれる事件が発生、他人の夢に潜り込むことが出来るDCミニによって夢の世界に他人が入る危険が高まる。障害のある理事長・乾は即刻研究中止を島に申し付ける。その最中にDCミニが悪用されて島が突如飛び降りて大怪我をする。

敦子と研究所員の小山内は行方不明になった時田の部下氷室が犯人と推理する。氷室はどこかで夢を見ているはずだ。時田は氷室を説得しようとするが、逆に夢に犯され昏睡状態となる。
敦子もパプリカになって島とともに氷室の夢に潜入する。すでに氷室はほかの人間に夢を犯されており、昏睡していた。パプリカは真犯人が健康な体を取り戻すという夢に取り付かれた乾と小山内であることを知るが、彼らに捕らえられてしまう。

そこに粉川が姿を現す。粉川によって敦子は救出されるが、夢の世界で射殺された小山内が現実世界でも死亡する。これ以後、夢と現実世界が入り交じってしまう。
夢に犯されて自分を見失っている時田も巨大化して、パプリカも敦子の別人格として、乾は不自由のない体を取り戻すことに成功し巨人として現実世界に現れる。
敦子は暴走した時田に取り込まれてしまうが、半透明な赤子として乾と対峙する。
敦子は乾を吸い込み、身体が成長し、この現象を止めて、時田に愛を告白する。

雑感

夢と現実の交錯を描いた傑作である。
他人の夢に潜入できると言う発想は、ユングの集団的無意識論によっているらしい。
だから物理世界は一つだけだと思うが、実は知らないうちに容易に夢空間と置き換わってしまう。

スタッフ・声の出演

監督 今敏
プロデューサー 丸田順悟 、 滝山雅夫
原作 筒井康隆
脚本 水上清資 、 今敏
企画 丸山正雄
作画監督 安藤雅司
キャラクターデザイン 安藤雅司
音楽 平沢進

配役
パプリカ/千葉敦子(声) 林原めぐみ
乾精次郎(声) 江守徹
島寅太朗(声) 堀勝之祐
時田浩作 (声) 古谷徹
粉川利美(声) 大塚明夫
小山内守雄(声) 山寺宏一

パプリカ 2006 マッドハウス制作 ソニー・ピクチャーズ配給 アニメの鬼才今敏最期の長編映画

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