原作はコナン・ドイルではない。
原作小説の「シャーロック・ホームズの素敵な冒険」は、ニコラス・メイヤー原作の有名なパスティーシュ作品だ。精神分析のフロイト博士ホームズが共闘して事件を解決する話。
原題は,麻薬であるコカインの水溶液を意味する。
ホームズ役にニコル・ウィリアムソン、フロイト博士役にアラン・アーキン、ワトソン役にロバート・デュバルを配する。監督と製作はハーバート・ロス

 

 

あらすじ

 
ワトソンはモリアーティからホームズにストーカーされていると訴えられる。
ワトソンは、コカイン中毒によるものだと考え、ウィーンにホームズを連れて行きフロイト博士の診療所に入院させる。しかし事件が最大の薬と気付き、入院する患者ローラに会わせる。その病院は単なるコカイン中毒と決めつけているが、ホームズは一目で誰かが注射を無理やり打ったと推理する。ところがローラが病院から消えて、百合の花が散乱している。フロイトがその後を辿ると、売春宿に着く。そこでラインスドルフ男爵の腹心ローベンシュタインと出会う。彼を締め上げると、ラインスドルフ男爵がモンテカルロでの借金を
帳消しにしてもらうため、トルコの総理大臣にローラを売り渡したことを白状する。急いで在来線を改造して作った急造急行列車でオリエント急行を追う。
 

雑感

その後は、映画らしく車両同士のチェイスがあり、ホームズとフロイトがオリエント急行に乗り移り、アクションシーン。
何とかローラを取り戻して一件落着。ホームズはワトソンにしばらく休むので、読者には死んだと言っておいてくれ(「最後の事件」のライヘンバッハの滝)と言う。そして船に乗り込むと、ローラがいたと言う落ち。

前半は退屈だったが、中盤でホームズの切れ味鋭い推理眼が戻り、最後は息もつかせぬアクション。後半になりかなり持ち直した。正典ではないが、良い出来だった。

ヴァネッサ・レッドグレイヴが、この頃は綺麗で色気を感じた。
アラン・アーキンはウィーン訛りの英語を話し、アクションもこなして、芸達者なところを見せた。
相変わらずロバート・デュバルは地味。

スタッフ・キャスト

 
監督・製作 ハーバート・ロス
製作総指揮 アレックス・ウイニッキー 、 アーレン・セラーズ
原作・脚本 ニコラス・メイヤー
撮影 オズワルド・モリス
音楽 ジョン・アディソン

 
配役
シャーロック・ホームズ ニコル・ウィリアムソン
フロイト  アラン・アーキン
ローラ   ヴァネッサ・レッドグレイヴ
ワトソン博士 ロバート・デュヴァル
モリアーティ教授  ローレンス・オリヴィエ
ロベンシュタイン  ジョエル・グレイ
ラインスドルフ男爵 ジェレミー・ケンプ
マイクロフト・ホームズ チャールズ・グレイ
 

シャーロック・ホームズの素敵な挑戦 The Seven-Per-Cent Solution 1976 ユニバーサル映画(米英合作) CIC国内配給

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