おそらく、1999年のベストムービーだろう。
オスカー作品賞の「アメリカンビューティー」はいかにも賞取り映画だが、家庭の崩壊を描いた秀作が今まで無かったわけではない。
一発勝負なら、私はこっちを推す。
インド人のナイト・シャマラン監督が脚本を兼ねる。
表向きはゴースト系のホラー。
ゾンビ物やスプラッタと違って、夢に出てくるような映画なのだが、最後の解決法が感動的で涙を誘う。
なお、オーラスに大どんでん返しもあるので、秘密は決してばらさないで、とコメントされている。
コール少年(H・J・オスマン)は母(トニ・コレット)と二人暮らしの小学生。
彼は友達もいなくて、情緒不安定。
彼の元へセラピストのマルコム(B・ウィリス)が訪れる。
彼はコール少年の心を開かせようとするが、コールは応じない。
やがてコール少年は友達の誕生パーティーに誘われるが、そこで誰もいない物置に閉じこめられる。
しかし、そこから出てきたコール少年は傷だらけだった。
そしてコールはマルコムにだけ秘密を打ち明ける。「僕は死んだ人が見えるんだ。」

ブルース・ウィリスはそれほど凄い俳優ではないが、いつも美味しい役をもらってくる。
デミー・ムーアとは全然立場が逆転してしまった。
さほど有名ではなかったインド人監督の出世作に起用されるなんて、ハッピーだ。
どう見ても、彼でなくても構わない役だもの(笑)
一方、コール少年のオスマンは、「ホームアローン」のカルキン少年よりさらに上手い。
でも、こんなに早熟だと、映画以外のことに興味が移っていくだろうなあ。
母親役のトニ・コレットは、最近目が出てきたが、ようやく主役級を掴んだ。
どうやら演技派と見ている。今後も母親役、娼婦役などで期待できそう。
こういうエンディングがゴーストホラー系映画になかったわけではない。
日本のテレビの怪談ものなんかでは、結構よくあるタイプだ。
しかしここまで感動させられたことは無かった。
途中の怖がらせ方(音響)がただ者ではないから、それだけ感動も大きくなったのだろう。

シックスセンス (The Sixth Sense, 1999,USA)

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