(☆)デビュー作「やさしく愛して」から22本目、エルヴィス・プレスリー映画出演10周年記念作品
セオドア・J・フリッカージョージ・カーゴが書いた脚本をノーマン・タウログが監督した。製作はジョー・パステルナーク

主演は新曲9曲を披露するエルヴィス・プレスリー
共演はシェリー・フェブリー、ダイアン・マクベイン、デボラ・ウォーリー、ドディー・マーシャル
カラー映画。

あらすじ

バンド仲間と演奏旅行を続ける歌手マイクは、生粋の独身主義者だ。サンタバーバラのクラブで演奏した時、自動車会社社長ハワードの令嬢シンシアに見初められる。またベストセラー作家ダイアナ・セントクレアにも気に入られ、バンドの女ドラマーであるレスは、心配で気が気でない。
シンシアは、自分の誕生パーティーでマイクに歌わせてほしいと父親に頼む。出演依頼を受けたマイクは、ライブ活動があるからとこの話を蹴った。
ところが次のライブ会場から、契約をキャンセルされる。全ては、ハワードの仕業だ。仕方なく、シンシアの誕生日パーティーで彼女一人のために歌う。社長秘書のフィリップは、シンシアのことを愛しているのでマイクに嫉妬する。
もうすぐサンタ・フェで自動車ロード・レースが開かれる。ハワードは、マイクの運転の腕前を知っており、そのレースで何とかして会社が開発したスポーツ・カーに彼を乗せようと企む。しかし、マイクは自分の愛車で参加するつもりだ。シンシアとダイアナのせいで、マイクと疎遠になったレスは、警官のリチャーズと知り合う。
レース前夜、ハワード邸でゴーゴー・パーティーが開かれる。ハワードは、ダイアナと出会い意気投合する・・・。

雑感

毎度のエルヴィス・プレスリーの観光映画は、10周年記念なのに地元カリフォルニアを採り上げた。全く記念映画らしくない。どうせなら、東京を舞台にしたら良いのに。プレスリー自身が映画にもう興味を持っていなかったのだろう。

時代を感じたのは、エルヴィス・プレスリーが、グループ・サウンドをやっていることだ。アメリカが、加山雄三の「若大将」シリーズに追いついたのかと思ったw。

さらに、女性が三人も出て来ながら、キスするだけという欲求不満が残る作品だった。
一人は1962年にドラマ「うちのママは世界一」の挿入歌として「ジョニー・エンジェル」を歌い全米一位を獲得した歌手であり子役からの女優でもあるシェリー・フェブリーだ。特徴的な声の持ち主だから、映画で歌の出番はあまり無かった。プレスリー映画は、前年の「フロリダ万才」に続く出演で、翌年には「ブルー・マイアミ」にも出演した。
次は、少し年増のダイアン・マクベイン。この作品以外にも、テレビドラマ「サーフサイド6」にレギュラー出演していた。
最後は、コメディエンヌや脇役が多かったデボラ・ウォーリーだ。
社長役のカール・ベッツは、シェリー・フェブリーと「うちのママは世界一」で主演ドナ・リードの夫役と長女役でレギュラー出演していた。

スタッフ

製作  ジョー・パステルナーク
監督  ノーマン・タウログ
脚本  セオドア・J・フリッカー、ジョージ・カーゴ
撮影  ダニエル・L・ファップ
音楽  ジョージー・ストール
音楽演奏  ジャック・ベイカー

キャスト

マイク・マッコイ(バンド歌手)  エルヴィス・プレスリー
シンシア・フォックスヒュー(社長令嬢)  シェリー・フェブリー
ダイアナ・セントクレア(作家)  ダイアン・マクベイン
レス(ドラマー)  デボラ・ウォーリー
スーザン  ドディー・マーシャル
カーリー  ジャック・ムラニー
トレイシー(警官)  ウィル・ハッチンス
フィリップ(社長秘書)  ウォーレン・バーリンジャー
ラリー  ジミー・ホーキンス  
ハワード・フォックスヒュー(社長) カール・ベッツ

 

***

レースでは、フィリップがマイクの車に乗り込みスタートしてしまう。ハワードが会社のスポーツ・カーで追い掛け、残されたマイクは他人に借りた車でレースに参加する。最初、マイクは殿にぽつんと置かれる。しかし次第に順位を上げ、最後はハワードとフィリップを差し切り見事優勝した。
その場でマイクは、シンシア、ダイアナ、レスと熱いキスを交わした。しかし、独身主義は止められぬ。シンシアはフィリップに、ダイアナはハワードに、レスはリチャーズと結婚させて、若rを告げる。そして新しいドラマーを連れて次の公演会場に向かった。

 

カリフォルニア万才 Spinout (1966) ジョー・パステルナーク・プロ製作 MGM配給 プレスリー映画デビュー10周年記念映画

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