夫婦が子供を失った悲しみで孤児を引き取ってから、身の回りで謎の殺人事件が起きるサスペンス映画。
主演は謎の少女を演じるイザベル・ファーマンと養母役ヴェラ・ファーミガ
監督はジャウム・コレット=セラ、脚本デヴィッド・レスリー・ジョンソン、原案アレックス・メイス

あらすじ

裕福なコールマン夫妻には二人の子供がいる。上の息子は腕白盛りで、下の妹は難聴である。実はもう一人子供ができたが、病気で死んでしまった。そこで悲しみを忘れようと孤児院からロシア系の女の子をもらってくる。非常に頭が良くて、妙に色気がある。

エスターは妻ケイトにジェシカって誰と質問しました。もう一人いた娘ですでに亡くなり、遺骨は温室の白いバラの根元に埋めたと話すと、エスターは涙をこぼした。ケイトは、なんと心のやさしい子だろうと感動し、エスターを抱き締める。

休日、夫ジョンが公園に子どもたちを連れて遊びに行く。
意地悪な少女ブレンダを見つけたエスターはすべり台から突き落とす。ブレンダの父が「突き落とされたらしい」と言うが、エスターは滑ったと証言する。

ある日、ケイトはエスターがピアノで完璧なチャイコフスキーを弾けるのを知って、ここに至ってエスターは危険な娘だと、ケイトは気付く。

孤児院のシスター・アビゲイルは調査をして、「エスターの周囲でケガ人が多く発生している」ということを知り、報告に来た。
しかし帰途、転んだ長女マックスに駆け寄ったアビゲイルを、背後からエスターはハンマーで殴り殺してしまう

ケイトは、孤児院から電話を受ける。アビゲイルが昨晩戻っていないと言う。警察がアビゲイルの遺体を発見し、ジョンとケイトは事情聴取を受ける。ケイトはエスターを疑う。

ある日、エスターが死産した娘ジェシカの遺骨を撒いたところにある、白いバラ全てを刈ってしまう。怒り狂ったケイトはエスターに体罰を与えるが、ジョンは庇う。その夜、エスターは万力で自分の左腕を折ってしまう。エスターの左腕が青く腫れあがっているのを見て驚いたジョンは、ケイトを責める。

数日後ダニエルの忘れものに気付いたケイトは、学校に渡しに行く。運転席に乗り込んだエスターはサイドブレーキを解除した。
後部座席にマックスを乗せたまま、車は坂道を下っていく。マックスは無事だったが、また飲酒運転したのかとジョンに思われる。夫婦が喧嘩しているのを、マックスが見ていたが、エスターが「言えばママを殺すわ」と言うので、真実を言えない。

ケイトは、エスターの聖書の最後に「サールン病院」というスタンプがあった。後でわかるのだが、それはエストニアの精神病院だった。

長男ダニエルも独自に調査をするが、隠れていたエスターにツリーハウスに閉じ込められ焼死しそうになる。火事に気付いた母・ケイトが駆け付け、慌てて消火する。ダニエルは頸部損傷で、病院へ担ぎ込まれた。病院でエスターはジュースを買いに行くと祖母に言い、こっそりダニエルの部屋に入ると酸素吸入器を外した。
アラームを聞いて、医師たちが駆け付け一命を取り戻す
取り乱すケイトはエスターを平手打ちし、そのままケイトは幼児業態親として入院させられる。

マックスと一緒に帰宅したジョンのもとへ、ケイトのスリップ姿で現れ、ジョンに色仕掛けをするが、ロリコンではないジョンは拒む。

病院で目覚めたケイトは、ロシアの精神病院から電話を受ける。
ヴァラヴァ医師は、エスターが下垂体性機能不全という病気で、見た目は9歳の少女にだが、現在は33歳の女性だと言われる。
さらにヴァラヴァ医師は「彼女は最低7人は殺害している」と言う。
彼女はエストニアで引き取られた先の家庭で父親を誘惑し、それに失敗すると家族を皆殺しにした。
1年前に精神病院を脱走した後は、行方不明になっている。
その話を聞いたケイトは、急いで帰宅する。
ジョンはやっと妻・ケイトの言う言葉をを信じる。しかし玄関でエスターはジョンをナイフで刺し殺す。
ケイトが帰宅するが、スリップして車が玄関に突っ込む。そしてケイトはジョンの遺体を発見し、とりすがって泣きました。

エスターは自宅の銃を持ち出し、ケイトの腕を撃つ。ケイトは窓から脱出し、温室の天井へ飛び移った。
マックスはエスターから逃れて温室の中に隠れていた。しかしエスターがマックスに気付き、銃で撃とうとした。するとケイトは温室のガラス天井を突き破って落ち、エスターはケイトの下敷きになって気絶してしまった。
ところがパトカーの警官が温室に駆け付ける頃には、エスターは逃亡していた。エスターはナイフを持って、ケイトとマックス母娘を追う。ケイトがエスターに襲われ、マックスが銃を撃つと、湖面の氷にひびが入り、エスターとケイトは湖に落ちる。2人とも湖面に顔を現わしましたが、ケイトはエスターに肘鉄を食らわせ、エスターは湖底に沈んでいく。

 

 

雑感

一種のイヤミスだが、怖さは大したことはない。
楳図かずおの「赤んぼ少女」と同じようなホルモン異常による年齢詐称の話だ。
主演のエスターは九歳の振りをしている設定だが、どう見ても老け顔の十二歳(実年齢)にしか見えず、ダニエルの妹には無理があった。
大体九歳までに性知識を得るなんてアメリカでは当然のことだろう。

タイトルロールのイザベル・ファーマンはご覧の通り、ロシア系ユダヤ人の娘。将来はきれいになりそうと思っていたが、その通りになった。NHK朝ドラや大河ドラマで主人公の子供時代を演じた鈴木梨央にも少し似ている。

スタッフ

監督ジャウム・コレット=セラ
脚本デヴィッド・レスリー・ジョンソン
原案アレックス・メイス
製作ジョエル・シルバー、スーザン・ダウニー、ジェニファー・デイヴィソン・キローラン、レオナルド・ディカプリオ
製作総指揮スティーヴ・リチャーズ、ドン・カーモディ、マイケル・アイルランド
音楽ジョン・オットマン
撮影ジェフ・カッター

キャスト

妻ケイト・コールマン ヴェラ・ファーミガ
夫ジョン・コールマン ピーター・サースガード
少女エスター イザベル・ファーマン
娘マックス アリアナ・エンジニア
シスター・アビゲイル  CCH・パウンダー
息子ダニエル・コールマン  ジミー・ベネット
祖母バーバラ  ローズマリー・ダンズモア
ブレンダ  ジェイミー・ヤング
ジョイス  ローリー・エヤーズ

エスター Orphan 2009 ダーク・キャッスル製作 ワーナーブラザーズ配給

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