日活の歌謡映画。曲自体は1960年の発売だが、ロングセラーとなり、1962年のレコード大賞特別賞を獲得した。紅白歌合戦には1961年に「コーヒールンバ」で初出場し、1962年にこの曲で二回目の出場となった。1969年の9回目の出場でも再びこの曲を歌っている。

映画は23歳で既に老成を感じさせる浅丘ルリ子と売り出し中の19歳高橋英樹が主演で、俳優予算(人件費)を抑えた映画だったが、葉山良二のアクションと西田佐知子が二曲を歌うシーンが挟まれているのが救い。

 

北海道の湖でモデルのみどりはカメラマンの中村とボートに同乗していて襲われる。しかしみどりは気を失い、中村はバランスを失って湖水に落ちる。中村は水死体で発見されるが、みどりは一人で漂流しているところを新進画家石崎に助けられる。東京に帰った後、みどりは興味本位のマスコミにたたかれ、スポンサーは降り、とうとうモデル事務所長木島によって解雇された。他のモデル事務所にも木島の手が回っていて仕事に就けない。そんなみどりの救いは石崎だった。しかしマスコミは石崎のこともみどり絡みで面白おかしく報道したため、みどりは自ら身を引く。ある日、恵子という女性が歌手幸子の隣に引っ越す。幸子のバンドの作曲家兼ピアニストは石崎の先輩近藤である。幸子は無職の恵子に同情して就職を世話してあげる。また恵子が木島に見つかり襲われたところを近藤が救ってくれる。そうして次第に恵子は近藤と接近し、婚約する。近藤が石崎に恵子を紹介すると、彼女は長い間探していたみどりだった。そのとき、木島の部下が乱入して近藤に襲いかかる。乱闘の最中に石崎は目を殴られ失明する。

 

もう少し俳優と脚本に予算を掛けて欲しかった。これがもう一年早い公開ならもう少し盛り上がったのではないか。西田は1963年、「エリカの花散るとき」に力を入れていたから、ダブってしまった。

でも西田佐知子は歌手の演技としては及第点である。

 

監督 吉村廉
脚本 棚田吾郎、砂山啓三
原作 川野京輔
製作 浅田健三、柳川武夫(企画)
配役
浅丘ルリ子
高橋英樹
葉山良二
西田佐知子
菅井一郎
原恵子
高野由美
相原巨典
庄司永健

アカシヤの雨がやむとき 1963 日活

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