監督:ポール・ファーホーフェン
(「ロボコップ」「トータルリコール」「ショーガール」「氷の微笑」「スターシップ・トゥルーパーズ」「インビジブル」など)
脚本 ジェラルド・ソエトマン(原案)、ポール・ファーホーフェン
撮影監督 カール・ウォルター・リンデンローブ(「インデペンデンス・デイ」)
プロダクション・デザイナー  ウィルバート・ファン・ドルプ
音楽 アン・ダドリー(「フル・モンティ」)
出演:
ラヘル:カリス・ファン・ハウテン
ルドウィグ・ムンツェ:セバスチャン・コッホ
ハンス:トム・ホフマン
ロニー:ハリナ・ライン
フランケン:ワルデマー・コブス

少し拍子抜けした。
ミステリータッチの戦争映画+「愛の嵐」(1974)と聞いていた。
「シンドラーのリスト」や「戦場のピアニスト」に匹敵するという人もいた。
たしかに面白かったのだが・・・
期待があまりにも大きすぎたのだろう。
巨匠ファーホーフェン監督が、「インビジブル」の大失敗でハリウッドから干されてしまったが、
ついにオランダへ帰ってきた。
この「ブラックブック」は、オランダで作られた、彼のエロチシズム趣味がふんだんに盛り込まれた作品だ。
2時間20分という時間内に収めたせいか、残酷さはほとんどなかった。
でも、裸のシーンが過剰だ。
日活ロマンポルノでも、こうは乱発しない。
いい加減、飽きてしまった。
主演はオランダの黒木瞳、カリス・ファン・ハウテンだ。
この映画で3度目のオランダ映画祭主演女優賞を獲得した。
ポスターは美人なのだけれど、映像ではそれほどではない。
また「氷の微笑」のシャロン・ストーンとは体格が違う。
シャロンほど魅力的なヌードではない。
脚本のミステリー味も、あまり利いていない。
ブラックブックなるものは最初のうちに出てくるのだが、映画最後の方でこれが事件を解く重要な鍵になる。
しかしそこまで待たなくても、たいていの人は犯人を当ててしまう。
要するにブラックブックは必要ないのだ。
SFX、VFX等の効果を使わず、黒を基調にした映像は非常に綺麗だ。
しかし、美しすぎて汚ない物が汚ない物として見えなかった。

けなしすぎた(笑)
何の期待も持たずに、この映画を見るのであれば、DVDのレンタル料は取り戻せる映画だ。
劇場の大画面で見る必要はないと思う。

戦後、戦争に批判的なドイツ軍将校が、ドイツ軍によって処刑されたことや、
生きるために戦争に協力したユダヤ人が戦後、オランダ人に迫害された点は、新鮮だった。
オードリー・ヘップバーンはオランダでレジスタンス活動に従事していたが、
イギリス人である父親がナチス協力者だったため、戦後、父親の存在を必死に隠していた。
その気持ちがよくわかった。

Zwartboek(ブラックブック) 2006 オランダ

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