今期は全体として低調だったので、思わぬ波乱が起きた。

第一位 昭和元禄落語心中(スタジオ・ディーン)

最初は全く期待していなかった。それが大逆転である。菊比古助六の落語家としての道を進む同志愛とライバル関係、そして二人の間に挟まれたファムファタールみよ吉の存在どれもが素晴らしい。過去編はほとんど山寺宏一、石田章、林原めぐみの三人芝居だったが、完全に大人(とくに女性)にターゲットを絞っていて見事な出来だった。

第二位 僕だけがいない街(ノイタミナ・A1-Project)

最初は今季の鉄板と思われたタイムリープ+ミステリー「僕街」。29歳の売れないマンガ家は母が殺されショックで18年前にタイムリープしてしまう。そこで彼は一念発起して友達に近づき身近で起きた連続誘拐殺人事件を次々と防ぐが、自分自身が狙われていることに気づかなかった。

原作漫画は素晴らしい出来だったが、アニメは実写版映画宣伝用に作られたため、全十二回という尺が短かすぎて話が入りきらず、最終回を大きく改悪して大逆転を許した。そうまでして作った実写版映画はバッドエンドになってしまい、アニメよりも酷い出来だという。

ただアニメ前半は原作より改良した点も見られ、悠木碧が加代を好演。

第三位 ハルチカ(PAワークス)

吹奏楽部で起きる学園ミステリーを幼なじみでありながら恋敵でもある「ハルチカ」コンビが推理と元気で解き明かす。吹奏楽ものとして京アニの「響け!ユーフォニアム」とぶつかるかと思いきや、意外にも同じ京アニの「氷菓」と少し重なる感じだった。PAは少し京アニを意識しすぎ?

主演の二人(ブリドカット セーラ 恵美、斉藤壮馬)は熱演。惜しかったのは顧問役の草壁(花江夏樹)の声が少年っぽくて合っていなかった。

音楽賞 この素晴らしい世界に祝福を! エンディング主題歌「ちいさな冒険者」 by アクア(CV:雨宮天)、めぐみん(CV:高橋李依)、ダクネス(CV:茅野愛衣)

「僕街」、「ハルチカ」の音楽も素晴らしかったが、どちらもアニメ向けのサウンドで乗りが良いのに対し、「ちいさな冒険者」の気の抜けた牧歌的サウンドはひときわ印象的だった。

今期完投した作品は次の通り。細字タイトルは見て損をした作品。

月曜日赤髪の白雪姫第二期(ボンズ)、最弱無敗の神装機竜バハムート)、蒼の彼方のフォーリズム

白雪の面白さは相変わらず、でも三週で視聴を止めたベストスリーに選ばれていた。これはアニメを知らない子供のすること。

バハムートは主人公に女性の田村睦心を起用したが意外に好評だった。ハーレム展開はテンプレだったが安定していた。

「アオカナ」はエロゲを基にしているのにその部分を切り捨て、スポ根ものとして完成させた作品。

火曜日:プリンス・オブ・ストライド・オルタナティブ

水曜日無彩限のファントム・ワールド(京アニ)、ハルチカ(PA)、この素晴らしい世界に祝福を!(Sディーン)、SUSHI POLICE

「ファントム」はファンタジーだが「甘城ブリリアントパーク」よりも一層ぬるかった。「この素晴」はキャラが生き生きしていたが、RPGパロディという点で目新しさがない。ただ高橋李依の演ずる「めぐみん」は飛び抜けて好演だった。

木曜日僕だけがいない街(ノイタミナ・A1)、おじさんとマシュマロ、少女たちは荒野を目指す、ファンタシースター2オンライン、だがしかし

この曜日は「僕街」の一択。「マシュマロ」は短い作品だが意外に面白かった。

金曜日GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 第二期(A1)、昭和元禄落語心中(Sディーン)、亜人、彼女と彼女の猫

GATEは第一期ほどではなかったが、月に一回はミリオタが大いに盛り上がる安定した面白さ。

土曜日:うたわれるもの偽りの仮面(2クール目)、デュラララ!!×2 結、金田一少年の事件簿R2、

「うたわれるもの偽りの仮面」は「うたわれるもの」オリジナルと違って大きく期待外れ。

日曜日:なし

 

 

2016冬期テレビアニメ・総括

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