思うところがあって、またアニメ「名探偵ポワロとマープル」を見ている。
ここでは、原作とアニメを対比したいと思う。

原作は「奇妙な冗談」(早川クリスティ文庫「愛の探偵たち」所収)である。
若いカップルは大おじの財産をあてにしていたが、大おじの死後、遺産は見つからない。
そこでミス・マープルに相談するのだが・・・

アニメには姪のメイベル・ウェストが存在するため、ラストでシャンペンを乾杯するわけにはいかなかったが、全体としては原作を忠実に再現している。

二人が遺産を根掘り葉掘り調べたことをマープルが批判するときに、少し違いがある。
原作でマープルは二人に対して、はっきり「必要なのは計画性よ。(One should have a plan.)」と言っている。
そして「ぴかぴかに磨いた、リノリウムの床で滑って骨折する話」に続く。
しかしアニメでマープルは、その計画性云々について何も言っていない。
その方が、その後に続く「リノリウムの床」とつながりが良い。
単純に「何事も程度が肝心だ」と言う意味になるのだ。

という風に声優の問題を考えなければ、気を配った脚本だと思う。

風変わりな遺言 名探偵ポワロとマープル

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  1. 風変わりな遺言 名探偵ポワロとマープル

    アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル Vol.2 パディントン発4時50分
    実は身体の調子が悪い。
    負担のかかる映像より音声(iTunes,iPod)のコンテンツを増やす必要に駆られている。
    ポッドキャストや有料オーディオドラマも現在ではたくさんあるのだが、好きなミステリについては欧米と比べて、日本のコンテンツは少ない。
    とくに私は、英国系古典探偵小説のファンである。京極夏彦は嫌なのだ。
    {/hiyoko_thunder/}

  2. 名探偵ポワロとマープル(再):風変わりな遺言 & 申し分のないメイド

    公式ホームページ
    前回はこちら。
    今回は先々週に放映された「風変わりな遺言」と先週に放映された「申し分のないメイド」。どちらもミス・マープルものです。
    「風変わりな遺言」のゲスト声優は酒井法子さんと及川光博さん。ミッチーは緊張していたのかな? 何かパッとしませんでしたが。。。
    事件は遺産の隠し場所を探すというもの。原作にも似たようなセリフがでてきますが、「アルセーヌ・ルパンの物語で義眼に何かを隠していた、っていう話があったけど。」というセリフをメイベルに言わせたのが印象的。(さて、どの話でしょう…

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