監督 W.S.ヴァンダイク
出演
モーリン・オサリヴァン
ジョニー・ワイズミュラー
ワイズミュラー版ターザンの第一弾
ワイズミュラーは1924年のパリ五輪、1928年のアムステルダム五輪で合計5個の金メダルを獲得した水泳自由形の選手。
もともとオーストリア・ハンガリー帝国の出身(ドイツ系)で幼いときに親と一緒にアメリカに渡った。
顔を見ればわかるとおり、同国出身のアーノルド・シュワルツネッガーに似ている。
モーリン・オサリヴァンはアイルランド出身でイギリスではヴィヴィアン・リーの同級生だった。
のちにハリウッドにわたって、ターザン女優として売り出した。
現代の基準で見ると、おそらく30年代随一の美人女優だが、当時はグレタ・ガルボが全盛で、彼女のようなタイプは色物的に扱われていたみたいだ。
1936年に結婚して、子供を7人もうけた。
それ以来仕事量はセーブしてしまい、主役でなくても演技力を要求される映画だけを選んで出演した。
女優ミア・ファーロウは娘である。
ミア・ファーロウもアンドレ・プレビンとの間に6人の子供を産んでいる。この家系は多産系なのだ。
映画はジェーン(モーリン・オサリヴァン)が父を追ってアフリカを訪問するところから始まる。
ジェーンは父に頼み込み、象が死ぬとき姿を隠すという謎の山の探検に参加させてもらう。
行程は過酷で、奴隷黒人は次々死んでいく。
そんなとき、彼らは白人男性の雄叫びを聞く。
はたして敵なのか、味方なのか?
やがて姿を現したターザン(ジョニー・ワイズミュラー)は初めてみる白人女性のジェーンに興味を持ち、さらってしまう。
言葉の通じないターザンを野蛮人だと思っていたジェーンは露骨に嫌悪を示すが、ターザンが案外紳士的な態度もとることを知り、次第に親しみを抱くようになる。
しかし、ジェーンの父が病を押して、探索に来たのを知って、泣く泣くターザンに別れを告げる。
ところがジェーンと父はピグミーに拉致されてしまい、従者は一人ずつ殺され、次はジェーンの番になる。
そこに雄叫びとともにターザンと象の大群が現れ、ピグミーを全滅に追い込む。
ピグミーのかわりに、黒人のフリークスの皆さんを使っていたために、この映画はなかなか放送できなくなっている。
しかしモーリン・オサリヴァンの美貌だけは残したいものだ。

類猿人ターザン MGM 1932

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