オリジナルは1974年4月から1975年6月までビー・プロが制作してフジテレビで放送された人気の特撮テレビ番組「電人ザボーガー」。研究者だった父を殺されて悪を憎む空手青年の乗るバイクがロボットに変身し、青年の操縦で怪人たちを次々と倒す。
原案は小池一雄、主演は山口暁(仮面ライダーマン)で初主演作だった。共演は根上淳、星野みどり、藤山律子

山口暁は放送終了から11年後に、若くして亡くなってしまった。それから25年経って、映画でリブート版が作られたのだが、オリジナルの原作が小池一雄とは思えないほど下品な作品だ。

 

あらすじ

1、「たたかえ!電人ザボーガー!」
秘密警察に属する大門豊は父大門博士を殺したΣを憎み、父の遺したザボーガーとともに戦っている。Σは政治家の遺伝子を利用して巨大ロボットを作ろうとしていた。しかし敵幹部ミス・ボーグと愛し合うようになり、汚職政治家若杉を守ることに疑問を抱く。そこを悪ノ宮博士に突かれ、ザボーガーと仲違いしてしまい、ミス・ボーグとザボーガーは相討ちとなり、ともに爆発して破壊される。

2、「耐えろ大門!人生の海を!」
大門豊は秘密警察を免職後、25年勤めていた若杉事務所をクビになり、糖尿病に苦しみながらハローワークに通う日々を暮らしていた。そこへレディ・ボーグが娘と名乗って現れる。さらに敵Σの幹部である秋月玄も実は双子息子だったと知る。秋月はザボーガーを復活させることに成功するが、レディ・ボーグが奪い返して、父の命令を聞くように改造してくれる。
レディ・ボーグは次第に自分を見失い破壊衝動が込み上げてきており、父の手で殺して欲しいと言う。もちろん父は拒否するが、Σ団に誘拐され巨大ロボットに改造されてしまう。娘をこんな姿にした悪ノ宮博士と父は再び戦う決心をする。秋月を倒し、巨大ロボットの体内に進入して、悪ノ宮博士と対決してこれを倒し、娘を元の姿に戻す。そして息子と娘は旅立ち、父は残りわずかな人生を悪の撲滅に懸けようと決意する。

 

雑感

テレビドラマはΣ団編と恐竜軍団編に分かれていたが、映画は第一部として22歳の主人公大門豊がザボーガーを失うまでを描き、第二部として47歳になって糖尿病を患う大門豊がミスボーグとの間に生まれた子供達と出会って再び戦意を取り戻す様を描いている。
娘が、オリジナルで恐竜軍団に属していたレディ・ボーグである。

 

ごく一部に高いギャラを使い果たし、残りは安上がりに済ませた感がある。
コメディでも良いが、もう少しリスペクトが欲しかった。一番感動できたのは、EDのバックに昔のテレビ版のダイジェストがかかった時だった。

スタッフ・キャスト

監督 井口昇
脚本 井口昇
音楽 菊池俊輔(オリジナル)、福田裕彦
主題歌 高野二郎「戦え!電人ザボーガー」
挿入歌 子門真人
撮影 長野泰隆

 

配役

大門豊(熟年期) – 板尾創路
大門豊(青年期) – 古原靖久
ミスボーグ – 山崎真実
秋月玄 – 宮下雄也
AKIKO / ジャンボメカ – 佐津川愛美
若杉議員(首相) – 木下ほうか
新田警部 – 渡辺裕之
大門博士 – 竹中直人
悪ノ宮博士 – 柄本明

電人ザボーガー 2011 サムシング・クリエイション製作 キング・レコード+ティ・ジョイ配給

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