前年末上映の江利チエミ主演実写版映画「サザエさん」の続編として、4月に続編にあたる「続サザエさん」が東宝から配給上映された。今回も歌あり笑いありのゆかいな作品に仕上がっている。

配役も第一部に準じている。ただし今回はノリスケ=仲代達矢はお休みである。その代わり、ノリオ(藤木悠)が新たに磯野家に下宿して、ノリスケのトボけた弟を演じている。

サザエとマスオの仲はクリスマスパーティー以来全く進展がない。サザエは柄にもなく女らしくしようと努力するが裏目に出てしまう。そんなときにマスオの母が北海道から上京してサザエ宅を訪問する。

今回のゲストは三木のり平で準レギュラーの伊佐坂難物を演じている。他に近所の奥様族として藤間紫中田康子、御用聞きとして新たに脱線トリオ(由利徹、南利明、八波むと志)が出演している。

モノクロ・スタンダード映画。

 

Synopsis:

友人ミチコキミ子らが既に結婚してのろけを聞かされる度に、サザエマスオの顔が思い出される。結婚についてどう思うか尋ねようとしてマスオを昼休みに呼び出すが、マスオの方がサザエの気持ちを察して、母親が北海道から上京するので会って欲しいと言う。

それ以来、マスオの母親の前で恥を掛けないと、サザエは花嫁修業に勤しもうとするが、カツオの妨害に遭い3分と持たない。

やがてマスオが母親を伴って磯野家へやって来る。仲人に立つ予定の山中老人父波平マスオの母親が話し込んでいるのを、サザエ、カツオ、ワカメ、ノリオが立ち聞きしようとする。すると襖が外れて全員室内に倒れ込み、サザエは人前で大恥をかいてしまう。

サザエは相変わらずの失敗続きで、この結婚は破談になったに違いないとしょげかえる。
しかしマスオの母親はサザエのことを「健康的だ」と気に入って北海道へ帰っていった。

 

 

Impression:

サザエは花嫁修業で近所のお宅にお使いに行き、ことごとく失敗する。そこで原作にあるそそっかしいエピソードが生きてくる。また今回も江利チエミの歌うシーンが多く、ファンにはたまらない。

ノリスケが先に結婚し、さらに仲代達矢が売れっ子俳優であるため、弟のノリオ(藤木悠)が代わりに下宿人として登場する。しかしコメディには藤木悠のほうが合っていたようだ。

ゲスト三木のり平伊佐阪難物役は、アニメと違ってなかなか煩型(うるさがた)に描かれている。

他にも多胡夫人の一の宮あつ子が登場。シリーズ映画ではこれからもしばしば登場する。

 

 

Staff/Cast:

監督:青柳信雄
製作:杉原貞雄
原作:長谷川町子
脚本:笠原良三
音楽:原六朗
撮影:遠藤精一
美術監督:北猛夫

 

 

 

出演
江利チエミ 磯野サザエ
小泉博 フグ田君
藤原釜足 サザエの父親
清川虹子 サザエの母親
小畑やすし 磯野カツオ
松島トモ子 磯野ワカメ
青山京子 ミチ子
藤木悠 ノリオ君
三木のり平 伊佐阪難物
藤間紫 伊佐阪お軽
梅野公子 フグ田の母
柳家金語楼 山中老人
中田康子 横向夫人
一の宮あつ子 多胡夫人
花房一美 富田千代子:
佐原健二 富田夫:
若山セツ子 吉井きみ子
宮田芳子 山下ふさ江
堺左千夫 山下の夫
東郷晴子 中村先生
脱線トリオ由利徹、南利明、八波むと志) 御用聞きの三人組

 

 

 

 

続サザエさん 1957 東宝東京 「どなたかお嫁に貰って下さい! ハネッ返りのお転婆娘」

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