これほど洋の東西で評価は割れるものだろうか?
字幕で見るとこの映画は、ちっとも面白くない。
ところがIMDBは高い評価である。
感想文に「ウィットの利いた会話(There is plenty of witty dialogue)」とある。
どうやら字幕は粗悪なものらしい。
機会があれば、英語字幕を見たいと思う。
ブルックリンの山の手に、二人の老嬢が住んでいる。
彼女たちには秘密があった。
孤独な老紳士を見ると気の毒になり、毒殺してあの世へ送り届けるのだ。
老嬢には三人の甥があった。
一人は知的障害で、自分をルーズベルト大統領だと思い込んでいる。
一人は凶悪な犯罪者で、刑務所にはいっている。
最後の一人はまともな演劇評論家で、今日結婚した。
叔母たちのもとへ結婚の報告にやって来るが、そこで彼女たちの犯罪を知る。
急いで入院させようとするが、そこへ刑務所に入っていた兄が脱走して帰ってくる。

ケイリー・グラントが、オーバーアクションといえる百面相演技(後に「シャレード」のラストシーンでも見せた。)を楽しませる。
でも僕は見ていて、わざとらしかった。
出演
ケーリー・グラント (Mortimer Brewster)
主人公の演劇評論家。
この人はこんなスラップスティックより、ラブコメの方が似合っている。
レイモンド・マッセイ (Jonathan Brewster)
凶悪犯の兄。弟を殺そうと思っている。
ボリス・カーロフに似せた、ずいぶん強烈なメイクだ。
後に「エデンの東」の父親役を演ずる俳優とは思えない。
ジャック・カーソン (O’Hara)
今どき吉本でも見ない、べたな巡査役だ。
この人は後に「スタア誕生」の宣伝部長役だ。
ペーター・ローレ (Dr. Einstein)
凶悪犯の兄を整形した、外国訛りのインチキ医師。
「カサブランカ」、「マルタの鷹」や「間諜最後の日」などにも出演した戦前の名脇役である。
戦後も「悪魔をやっつけろ」「八十日間世界一周」など。
プリシラ・レーン (Elaine Harper)
ヒロインだが、あまり出番はない。ヒッチコックの「逃走迷路」。
ジョセフィン・ハル (Abby Brewster)
凶悪な叔母さん一号。
「ハーヴェイ」でのジェームズ・スチュアートの母親役が非常に印象に残る。
ジーン・アデーア (Martha Brewster)
凶悪な叔母さん二号。
ジョン・アレクサンダー (Teddy Roosevelt Brewster)
気のふれた弟。
元ラッツ&スターの桑野信義ににている。

毒薬と老嬢 1944 ワーナーブラザーズ

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