今村作品としては良い趣味の作品だ。
後の今村の特徴である、ねばねばしたところが少ない。
フランス映画の「穴」を思い出した。
 

駅前に集まる5人の男女。
軍の時代にモルヒネを隠したのを掘り返しに来たのだ。
その場所はいまではコロッケ屋の真下だ。
5人は近くに空き家を借りて不動産屋のまねごとをして、穴掘りに精を出す。
しかし大家の息子に正体がばれそうになったり、メンバーの一人が強盗を働き捕まったと思ったら逃亡してくるなど、波乱含み。
しかもこの土地は収用にかかっていて、市に明け渡さねばならない。
時間はもう僅かしかない。
はたしてお宝まで行き着くことが出来るのか?
 


 

最後は仲間割れして、殺し合いがはじまる。
しかしこの映画を見てると、大映映画でもこういう映画を見たような覚えも・・・
 

くせ者中原早苗は長門裕之の恋人の役だが、意外とまともな役を演じていた。
本当なら金にとりつかれた女の役が似合ってると思った。
キャスティングは中原ひとみで良かったんじゃないか?
渡辺美佐子は好演。
色っぽくて、でも最後は狂女丸出しのメイクで鬼気迫る演技だった。
 
男では大家の菅井一郎と拾い屋高品格が良い味を出していた。

果しなき欲望 1958 日活

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