松本清張生誕100年にあたり、清張の原点ともいえる傑作短編「顔」をドラマ化。
昭和31年の東京、売れない劇団俳優・井野(谷原章介)は、同じ劇団の看板女優・瞳(原田夏希)が主演する大作映画の相手役に抜擢される。
一躍、スターへの道を歩み始めた井野。
しかし、井野には秘密の過去があった。
映画が注目されて「顔」が売れ、過去が暴かれることを恐れた井野の心に、過去を抹殺するためのシナリオが芽生える。(NHK)
原作:松本清張
制作統括:加賀田透
演出:伊勢田雅也
脚本:中園健司
出演:谷原章介、原田夏希、高橋和也、大地康雄、美保 純、ほか。
谷原章介って二枚目イケメンなのだが、あまり好きではなかった。
しかしこの「顔」は名演だ。
彼のことを見直してしまった。
最初のシーンの彼の視線に、ぐいっと引きつけられた。
原田夏希もNHK朝のテレビ小説「わかば」の頃と比べて、かなり成長していた。
健気な娼婦の役と花形女優の二役、相当に難しい組み合わせだ。
脚本は、終盤まで原作を忠実に描いているが、最後の20分に脚本独自の部分がある。
原作にないことを付け加えて、余計なことをしていると思った。
しかし最後まで見るうち、女心の悲しさに思わずほろりと来て、
谷原の最後の泣き笑いのシーンは涙で見られなくなった。

松本清張ドラマスペシャル「顔」(NHK総合, 2009)

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