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この「親指のうずき」は、2005年にフランスで “Mon petit doigt m’a dit…” としてカトリーヌ・フロ主演で映画化されたばかりだ。
それを翌年、しかも本国でドラマ化するのだから、相当に改変してくると思った。
大体おしどり夫婦トミーとタペンスものに、ミス・マープルが出ること自体が、無茶苦茶なことである。
実際(フランス映画以上に)大胆な脚色があった。
しかしなぜか、さほど気にはならなかった。
これはこれで一つのお話だろう。
原作は少し冗長なのが欠点だが、今回のドラマはテンポが非常に良かった。
草笛光子も2作目でジェラルディン・マッキーワンのリズムを得たようだ。
やや、とうは立っていたが、華麗なる女優陣の競演を楽しめた。
まず、派手なタペンス役にグレタ・スカッキ(「推定無罪」「ザ・プレイヤー」)。
適役だったが、タペンスが欲求不満でアル中なのは、どうだろうか。
夫婦円満である、フランス映画の方が良かった。[E:shock]
伯母のエイダ役は、昨日からのチャップリン繋がりでクレア・ブルーム
(「ライムライト」「寒い国から帰ったスパイ」「まごころを君に(アルジャノンに花束を)」、ミス・マープル(ジョーン・ヒクソン)の「鏡は横にひび割れて」)。
しかしメイクアップで化けていて、名前を見るまで誰だかわからなかった。
行方不明になるランカスター夫人に、コマンダー爵位を持つジェーン・ウィットフィールド
(英国テレビの大女優で、オーディオドラマでミス・マープルを演じている。)。
フランス映画版のジュヌヴィエーヴ・ビジョルドよりも良かった。
さらに、養老院の管理人パッカードに、名脇役クレア・ホルマン(アガサ・クリスティの「忘られぬ死」)。
惜しかったのは、トミーとタペンスの重要人物・召使いアルバートが出てこなかったこと。
できればこの作品でなく、トミーとタペンスの第二次世界大戦物である「NかMか」をやって欲しかった。
こうなると、再びトミーとタペンスと共演するのは「運命の裏木戸」だろうか。
その頃にはミス・マープルは、いったいいくつになっているのか?

新ミス・マープル2 親指のうずき グラナダ

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