仕事先でタイム・ラビリンス(時間迷宮)に落ち込んだお天気キャスターは一生そこから抜け出せないのか。
ニーチェの永久回帰をたった100分で分からせる名作(町山智浩)。
監督は「ゴーストバスターズ」「恋愛小説家」のハロルド・レイミス。主演はビル・マーレイ、ヒロインはアンディ・マクドウェル
 

 

あらすじ

 
2月2日天気キャスターのフィル(ビル・マーレイ)は女性プロデューサー、リタ(アンディ・マクドウェル)、カメラマンのラリー(クリス・エリオット)と春の到来を占う恒例の祭りを取材するため、パンクスタウニーにやって来た。自己中心的なフィルは毎年同じ事を繰り返すので不満げで仲間と別れて一人で町に出る。翌日午前6時ラジオDJがお祭りの開始を告げる声で目を覚ましたフィルはホテルマンや同級生ネッドにも不機嫌な態度をみせ、町の広場へ向かう。さっさと中継を済ませ、ピッツバーグに帰ろうとするが、吹雪で道路は閉鎖された。もう一泊することになり、翌朝になると昨日と全く同じようにDJは祭りの開始を告げていた。昨日とすべてが同じである。また一泊するとまた同じ一日が繰り返される。フィルは永遠にこの日に閉じ込められたことに気づき、やりたい放題を始めた。しかしリタを何度くどいても平手打ちにあって怒らせてしまう。嫌気がさした彼は自殺するが、翌朝には生き返る。そこで彼はこの時間を有意義に使おうと決心し、ピアノを教えてもらい、また他人のためになることを始める。
その様子を見ていたリタがフィルを見直した翌朝、フィルが目を覚ますと隣にはリタが眠っていて、ついに「明日」がようやく来た。フィルはリタとこの町に住むことを決心する。
 

 

 

雑感

 
隠れた名作タイム・ラビリンス映画である。そういう評判を聞いて遅まきながら観てみたが、傑作と言うほどではない。
しかし、1時間40分のコメディに、ニーチェ哲学の大きな柱の一本である「永遠回帰」を落とし込んだものだ。
フィルは何故改心して、自分のためと他人のために生きていこうとしたのだろうか。もし同じ一日を繰り返すのなら、その方が楽しいからかな。それともニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」を読んだのかな。
 
アンディ・マクダウェルは1980年から1990年代までヒット映画に良く出ていた。モデル出身だが、サウス・カロライナ出身で訛りが酷かったので、アクターズ・スクールに入って演技を一から勉強したそうだ。そのおかげで「セックスと嘘とビデオテープ」以来、スターの仲間入りをした。2001年に再婚してから表舞台に立たなくなった。(3年後に離婚)
 

 

スタッフ・キャスト

 
監督 ハロルド・レイミス
製作 トレヴァー・アルバート 、 ハロルド・レイミス
製作総指揮 C・O・エリクソン
原案 ダニー・ルービン
脚本 ダニー・ルービン 、 ハロルド・レイミス
撮影 ジョン・ベイリー
音楽 ジョージ・フェントン
 
配役
フィル   ビル・マーレイ
リタ    アンディ・マクドウェル
ラリー     クリス・エリオット
ネッド    スティーブン・トボロウスキー
バスター   ブライアン・ドイル・マレー
 

恋はデジャ・ブ Groundhog Day 1993 コロンビア製作・配給

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