主人公の妹役で脱藩者の妻に時代劇に不慣れな菊地凛子を起用したということで若干割り引いて見なければいけない。

それを除けば、篠原監督は既に映画「山桜」(田中麗奈、東山紀之出演)も撮っているし、いつもの静かな藤沢周平作品である。

海坂藩士戌井は重役から藩命を受ける。それは上訴で藩の農政を批判したうえ脱藩した助川を斬れというものだった。助川は戌井の親友で妹田鶴が嫁いでいた。彼女は兄同様、武芸に秀でていて直心流の使い手である。戌井は理と情の間で心が揺れるが、父に諭され、幼いときから田鶴を慕っていた奉公人新蔵を連れて助川の後を追う。

菊地凛子はできるだけ意識しないように見ていたが、そんな中でもラストで救いがあった。愛之助(助川)のブレーク前の作品で彼をキャスティングしたのは良かったのだから、菊地凛子だけを採り上げて失敗作というのはどうだろう。。

もちろん時代劇には経験が大切だ。そういう意味では勝地涼は順調に成長している。

 

監督:篠原哲雄

原作:藤沢周平

出演:

東山紀之

菊地凛子

勝地涼

尾野真千子

片岡愛之助

 

小川の辺 2011 東映

投稿ナビゲーション