女必殺拳シリーズ第2作目。設定は前作と同じようだが、今度は兄ではなく姉捜しに香港から女ドラゴンが来日する。
主演は志穂美悦子で共演は倉田保昭、ラスボスは室田日出男。監督は前作と同じく山口和彦、脚本は鈴木則文

 

あらすじ

香港の王渕明の娘美麗が日本の麻薬組織に誘拐された。身柄は日本に移されたらしい。彼女の幼なじみの李紅龍に調査が依頼され、日本へ飛んだ紅竜は姉で宝石デザイナーをしている白蘭に会った。その夜紅竜は本位田三兄弟の鹿二郎に襲われるが逆襲すると鹿二郎は逃げ出した。実は白蘭は大曽根というギャングの情婦だったので、紅龍の行動は筒抜けだった。
翌日、紅竜は東京道院道場の藤田徹道に相談する。一方、椿俊輔という男が麻薬組織のボス大曽根の門を叩き、用心棒にしてくれと言う。大曽根は本位田三兄弟の他にも多くの食客を抱え、ジムで鍛えさせていた。
ある夜紅竜は、大曽根のナイトクラブに花売娘に変装して潜入し、地下室で美麗を発見した。組織の目的は若い娘数人の身体の中にダイヤを埋め込んで外国から日本に運び込み、医者の須賀野によって摘出させていた。格闘の末、紅竜は美麗を連れ出し、東京道院に連れて行く。
怒った大曽根は白蘭の両目を失明させ、囮にして紅竜を呼び出した。本位田の長兄・猪一郎と戦いになるが、ヌンチャク相手に非常に振りだ。その時、椿が猪一郎の邪魔をして、その隙に紅竜はを逃す。実は椿は香港で誘拐犯を追い詰めながら殺された刑事の弟だった。
その頃美麗は少林寺のガードを掻い潜り、本位田幻十郎によって殺されてしまった。紅竜は再びナイトクラブの地下室に潜入したが、白蘭は生体解剖されるところだ。紅竜の努力もむなしく、須賀野は白蘭の胸をメスで切り裂いた。
怒髪天を衝く紅竜と椿は、大曽根の本宅に駆けつけ、次々と用心棒たちを蹴ちらした。そこへ椿も紅竜の応援に駈けつけた。要塞と化した本宅だったが、椿は雑魚をひきうけて、死闘の末、紅竜は猪一郎と大曽根を必殺の蹴りでぶち殺すのだった。

雑感

志穂美悦子は主演映画一本を撮影して、撮影所の空気に慣れたようだ。
オープニング映像を見ると、志穂美悦子のヌンチャクの腕は上がっていない。第一作からの使い回しかもしれない。
筋書きは第一作をコピーしていて、殺されるのが紅竜の兄から姉に変わっただけだ。ただし、日本での師匠的存在が千葉真一から倉田保昭に交代している。千葉真一の暑苦しさにはそろそろ飽き始めていたので、これは良いことだと思う。
けれども石橋雅史はちゃんと出ています。こっちはオールマイティで暑苦しくない敵の幹部みたいなものだから、毎回出てくれたほうが良い。

前回にもまして特撮ドラマの雰囲気が強くなった。少しエロもオープンになった。

スタッフ

企画 吉峰甲子夫 、 高村賢治
脚本 鈴木則文 、 掛札昌裕
監督 山口和彦
撮影 中島芳男
音楽 菊池俊輔

キャスト

李紅竜 志穂美悦子
李白蘭 光川環世
王美麗 田中久子
大曽根一成 室田日出男
黒木五郎 藤山浩二
本位田猪一郎 石橋雅史
本位田鹿二郎 斎藤一之
本位田蝶三郎 琳大興
羅内幻十郎 安岡力也
ヘシウス 苅谷俊介
村川眉美 マダム・ジョイ
須賀野音彦 山本昌平
藤田徹道 内田朝雄
藤田琴絵 板東三千代
宮本武夫 たこ八郎
王渕明 永井秀明
椿俊輔 倉田保昭

女必殺拳 危機一髪 1974.12 東映製作・配給

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