東宝・三船プロ共同製作の怪作。
谷口千吉監督で、三船敏郎主演、舞台は遣唐使の頃のタクラマカン砂漠。
しかし原作は太宰治の「走れメロス」、そのうえ特撮映画と来ている。
はたしてターゲットは大人なのか子供なのか。
併映が駅前シリーズだと言うからある程度大人向けなのだろうが、内容はどう見ても子供向けだ。
若大将と併映していたマタンゴ路線なのか。
大角は敦煌で奴隷商人に売られているところを、遣唐使とともに中国に渡った円済が持ち金をはたいて助ける。
円済は仏舎利を日本に持ち帰るため、シルクロードを目指していた。
らくだを失った彼らはキャラバン隊についていき、円済と大角はついに砂漠の真ん中で仏舎利を見つけるが、隊は盗賊に襲われ、町に逃げ込むと円済は役人に捕まってしまう。
大角は彼を助けようと王宮に忍び込むが、やはり捕まり投獄される。
円済は大角とともに王に謁見して仏舎利を隣町にいる大角の弟に渡すことを許して欲しいと願う。
国王は極度の人間不信で、大角が明後日までに戻らないと代わりに円済を火あぶりの刑に処すと言う。
仙人や山婆が出てきて、妖術を使うあたりに、派手な特撮を用いている。
しかし谷口監督は似合わないことをやるから、何かおかしい。
町のセットは、そのままウルトラマン第七話「バラージの青い石」に流用されたそうだ。
そういえば黒部進、桜井浩子、平田昭彦というウルトラマン・ファミリーが出演していた。
監督 谷口千吉
脚本 馬淵薫
製作 田中友幸 根津博
撮影 山田一夫
美術 植田寛
音楽 伊福部昭
出演
三船敏郎 (大角)
中丸忠雄 (円済)
三橋達也 (王)
白川由美 (王妃)
佐藤允 (盗賊)
平田昭彦
若林映子
田崎潤
浜美枝
有島一郎 (仙人)
天本英世
黒部進
桜井浩子 

奇巌城の冒険 1966 東宝

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