監督・脚本 黒澤明
撮影 斎藤孝雄
上田正治
音楽 池辺晋一郎
出演:
寺尾聰 (私)
倍賞美津子 (母)
原田美枝子 (雪女)
根岸季衣 (子供を抱いた女)
井川比佐志 (背広の男)

夏目漱石の「夢十夜」風に、黒澤明が描いた不思議な夢のアンソロジー。
とくに映像が美しい。
「日照り雨」
出演:倍賞美津子
少年と狐の嫁入り行列。
「桃畑」
出演:伊崎充則
切られてしまった桃の精の話。伊崎充則は上手だが、子供らしくない[E:coldsweats01]
「雪あらし」
出演:寺尾聰、原田美枝子
雪山で遭難した「私」は雪女と出会う。
「トンネル」
出演:寺尾聰、頭師佳孝
抑留から帰国した私がトンネルを越えると、かつて戦死した部下たちが追ってくる。
黒澤明は徴兵逃れをしたらしく、負い目に感じていた。
「鴉」
出演:マーチン・スコセッシ、寺尾聰
「アルルのはね橋」の絵の中でゴッホと出会う。
「赤富士」
出演:井川比佐志、寺尾聰、根岸季衣
原発がメルトダウンして、富士山が真っ赤に溶けていく。
「鬼哭」
出演:いかりや長介、寺尾聰
“私”の前に鬼が現われる。彼は人間だったが、放射能で奇形化したのだ。
「水車のある村」
出演:笠智衆、寺尾聰
美しい水車村で老人と出会う。老人は年を取って死ぬことはめでたいことで、人間も自然の一部と説く。

この映画を見た誰かが、黒澤も老けたと言っていた。
私はそうは思わない。
黒澤明は変わらない。
見る側の我々が変わっただけである。

夢という形式のために、戯画化されて描かれている。
監督は絵コンテ的に、好き勝手に撮っている。
ゴッホ、円谷英二、中川信夫、ゴダールらに影響を受けている。
それでも見る方は、小難しく考えてしまい、本質を見失いがちである。
難しく考えることはない。
好きなものを好きに撮ってるだけだ。
素直に受け止めればよい。
素直でなければ、映画は分からない[E:bleah]

夢 1990 黒澤プロ

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