小沢茂弘監督の地獄シリーズ第二弾。
九州から逃げてきたヤクザ二人が青森で抗争に巻き込まれ、腕の立つヤクザ者に助けられる。しかしその男には秘密があった。
主演は片岡千恵蔵、共演は高倉健、進藤英太郎、中原ひとみ

あらすじ

青森の港町に九州卍組の暴れ牛のツノ吉とキッドの謙が現れた。卍組前社長が何者かに射殺された時その場に居合せたため、ほとぼりが冷めるまでとワラジをはいたのだ。彼らは青森の川勝組との間でトラブルを起こすが、月の輪の熊次というヤクザが中に入って代わりに勝負することになった。
ツノ吉たちは熊次と意気投合したが、ツノ吉が川勝組の親分を、結城組に買収されて暗殺したために、熊次は犯人と間違えられて川勝組の娘静江と子分竜三に付け狙われる。

熊次たちはスキー場で遊んだ後、ツノ吉が一年ぶりに九州卍組に戻るのに付いて行った。卍組新社長である篠は、熊次を用心棒に雇い入れた。静江たちが九州まで追ってきたが、静江も竜三もその頃には熊次は犯人ではないのではないかと思っていた。ところが物陰に潜むツノ吉が竜三を撃った。

篠は香港の王との取引を、篠の妹を添わせて跡目にするつもりのキッドの謙をやらせた。しかし謙は彼女と一緒になるために足を洗おうと考えていた。王との取引を、純子は謙に言われた通り警察に連絡するが、偽警官に通報してしまい逆に彼らに捕らえられた。

純子と謙は逃亡し、彼らに追跡と謙の抹殺を篠は熊次に命令する。熊次は帰ってきて、謙だけでなく純子まで殺したと報告した。篠は、口封じのためにツノ吉に熊次の殺害を命じた。兄弟分の杯を交わしたツノ吉が悩んでいると、熊次の前に王一味も現れた。熊次が警視庁の壇原であることが王にバレたのだ。しかし謙たちは生きていて、檀原とツノ吉と共に応戦する。そこへ警官隊が到着し、篠と王は捕った。そして撃たれて瀕死のツノ吉は自分が川勝暗殺犯だと自供した。

雑感

役名が相変わらず凄い。片岡千恵蔵は相変わらず流れ者の凄腕ヤクザとして登場するが、その正体は○○である。
この作品では、進藤英太郎の心理のあやが見ものである。それと比較すると、高倉健江原真二郎もまだまだ若手扱いである。
女優にはあまりフォーカスは当たらないが、小宮光江が中国マフィアの愛人役で出ている。
小沢茂弘監督は映画単体としては大したことはないのだが、シリーズ化がうまい。早くに引退して易者だとか山伏だとか好きなことをやっていた。

タイトルは(今売った一発目は脅しだが)「二発目は地獄行きだぜ」という台詞から来ている。

スタッフ

企画 玉木潤一郎 、 植木照男
脚本 松浦健郎
監督 小沢茂弘
撮影 西川庄衛
音楽 山田栄一

キャスト

月の輪熊次  片岡千恵蔵
暴れ牛のツノ吉 進藤英太郎
キッドの謙  高倉健
川勝組流れ星の竜三  江原真二郎
新組長篠勝男 山形勲
妹純子 佐久間良子
マキ  中原ひとみ
ワンの愛人波子 小宮光江
川勝静江  久保菜穂子
ドラマー桜井  南廣
結城組親分  三島雅夫
川勝親分  阿部九洲男
香港の麻薬王ワン  柳永二郎
おしゃべり安  堺駿二
先代組長仙羽庄造  北竜二
鳴風組社長  沢彰謙

 
二発目は地獄行きだぜ 1960.1 東映東京製作 東映配給

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