シカゴの禁酒法時代のギャングの抗争に歌を交えて描く、デイヴィッド・R・シュワルツの脚本をゴードン・ダグラス監督が演出したギャング・ミュージカル。音楽はサミー・カーンジェームズ・ヴァン・ヒューゼンのコンビが作詞・作曲して、ネルソン・リドルが指揮している。製作はフランク・シナトラ

主演はフランク・シナトラ、ディーン・マーティン、共演はサミー・デイヴィス・ジュニア、ビング・クロスビー、バーバラ・ラッシュ、ピーター・フォーク

 

 

あらすじ

シカゴのギャングのボスであるビッグ・ジムは汚職保安官とギスボーン一味に殺された。ノースサイドに拠点を持つロボと子分ウィルはギスボーンに対抗する。腕利きのギャンブラーであるジョンがロボの仲間になったころ、双方が同時に互いのカジノに殴り込みをかけて、お互いの店を破壊した。
ある日、ロボをジムの娘のマリアンが訪ねる。彼女は仇を取ってくれたら5万ドル出すと言った。ロボは警察相手に勝ち目がないと、その願い出を断る。
ギスボーンは金にがめつい保安官を邪魔に思い、代わりに保安官代理ポッツを抱き込み、警察署に置かれるコンクリート碑の中に保安官を埋めてしまう。マリアンはロボに5万ドルを送った。仇を取ったわけで無いロボは金の処理に困って、孤児院に寄附する。それを善行として受け止められ、市民から賞讚され英雄視されるる。孤児院は喜びデイルという冴えない男を実務主任として派遣する。ロボの人気が高まったためギズボーンの店は閑古鳥が鳴く。ロボの店が再開する日に、ポッツに命じて手入れをかけるが、いち早く情報を掴んだロボは回り舞台で店を裏に隠して教会にしてしまう。

初日は引っ込んだギスボーンだが、保安官殺しの容疑をロボに着せて逮捕させた。彼は裁判で無罪になったが、その隙にジョンがマリアンと出来てしまい、貧民に施す施設の奥に偽札作りの部屋を作って荒稼ぎをしていた。ジョンはロボと争うのを嫌い、マリアンの元から去る。
マリアンはギスボーンに頼んで、ロボとジョンの暗殺を謀るが、逆にギスボーンが二人に返り討ちに遭いコンクリートに埋められる。次にマリアンはポッツと組み、シカゴ市内の女性にギャング追放運動を呼びかける。女性達は暴徒と化して、カジノを破壊し、ロボは破産してしまう。
結局、マリアンが偽札作りで儲けてシカゴの暗黒街を牛耳るようになった。ロボ、ジョン、ウィルがクリスマス・イヴにサンタクロースの格好をして侘しく募金を集めていると、マリアンが車で乗り付け愛人と一緒に下りてくる。その愛人が、あの冴えない主任デイルだった。

雑感

原題の「ロビンと7人のフードたち」はロビン・フッドが義賊であったことから名付けられた。フードは頭巾の事で、そんなものを被って顔を隠しているのは泥棒なのだ。

ラット・パックの内、ピーター・ローフォードとジョーイ・ビショップが不参加だがビング・クロスビーが参加し、「オーシャンと十一人の仲間」の続編的位置づけにある。

二転三転して、うまく落ちの付いたギャング・コメディだった。
歌は7曲あり、六曲はシナトラ、ディノ、クロスビー、ディビスが歌っているが、残りの一曲はピーター・フォークが歌っている。一番盛り上がるのは、無罪になった後にフランク・シナトラが裁判所前に集まった民衆に向かって歌う曲だ。内容はシカゴについて歌っているので「シカゴ」のようだが、これは「マイ・カインド・オブ・タウン」と言う曲。
バーバラ・ラッシュはカリフォルニア大学サンタバーバラ校を卒業した英才だが、1950年代はSF映画「イット・ケイム・フロム・アウター・スペース」のヒロインを演じたB級女優に過ぎなかった。ずっと脇役で活躍して、1964年のこの作品ではフランク・シナトラを敵に回すフィクサー役を演じている。この後、自身の代表作であるテレビ・ドラマ「ペイトン・プレイス物語」にレギュラー出演する。

スタッフ

製作 フランク・シナトラ
監督 ゴードン・ダグラス
脚本 デイヴィッド・R・シュワルツ
撮影 ウィリアム・H・ダニエルズ
音楽 ネルソン・リドル 、 サミー・カーン 、 ジェームズ・ヴァン・ヒューゼン

 

キャスト

ロボ   フランク・シナトラ
ジョン   ディーン・マーティン
ウィル   サミー・デイヴィス・ジュニア
ガイ・ギズボーン  ピーター・フォーク
ジムの娘マリアン    バーバラ・ラッシュ
保安官代理ポッツ    ヴィクター・ブオノ
経理アレン・デイル   ビング・クロスビー
保安官シックス・セカンズ    ハンク・ハンリー
ヴァーミン   アレン・ジェンキンス
親分ジム    エドワード・G・ロビンソン

 

七人の愚連隊 Robin and the Seven Hoods 1964 A P-Cプロダクション製作 ワーナー・ブラザーズ配給

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