イギリスのB級映画だが、英国女王エリザベス二世の愛車でもあった名車ミニクーパーで、自動車産業の一つの中心イタリアに乗り込み、楽しいカーチェイスを見せてくれる作品だ。マイケル・ケイン主演、名優にして名脚本家ノエル・カワードの遺作でもある。2003年に米パラマウントでリメイクされたが、妙に格好良すぎて、オリジナルの良さは出ていない。

あらすじ

泥棒のチャーリー・クローカー(マイケル・ケイン)は出所した。次の仕事はマフィアに暗殺された相棒ベッカーマン(ロッサノ・ブラッツィ)の弔い合戦だ。トリノへ乗り込み、4百万ドルの金塊を強奪する。チャーリーは収監中の大ボス・ブリッジャー(ノエル・カワード)の許可をもらい、イギリスで自動車と仲間を揃える。 マフィアのリーダー、アルタバーニ(ラフ・ヴァローネ)に脅され車を破壊されるが、用意していた代車に分乗してトリノにたどり着く。まず交通管制センターのネットワークを停電で麻痺させる。そして交通の混乱に乗じて金塊を奪った。さらにイタリア特有の狭いアーケードや休日の広場を利用して、イギリス自慢のミニクーパーMk-I 3台でトリノ警察のアルファ・ロメオを振り切って市外へ逃亡する。ところがトレーラーに金塊を移して出発した途端、峠道で脱輪してしまう。このピンチにチャーリーはどうする?

雑感

当時はカーチェイスというより、カーレースの映画が流行っていた。カーチェイス映画はもっと昔からあったが、ここまでおしゃれなものはなかっただろう。 前半は退屈なところも多い。マフィアがこの作戦の最大の敵かと思ったが、結局その後は出てこず、最後は無能なイタリア警察とのカーチェイスになり、機動力に勝るミニクーパーがアルファロメオを振り切る。 このミニクーパーのカーチェイスのシーンが華麗で興奮した。このシーンはその後のCM業界に与えた影響も大であった。5つ目(ヘッドランプ)のミニクーパーが3台雁行するシーンは惚れ惚れした。 なお、永らく未解決だったトレーラーから金塊を持ち出す作戦だが、2009年に英国王立化学会がコンテストを行い、無事解決された。まずガソリンタンクを空にして、誰かが窓から外に出て石を運び、車の前方に重心を移すのだ。もちろん金塊を取り出せても新たな輸送手段をどうするかは分からない。何しろトレーラーのガソリンは空なのだから。

スタッフ

監督 ピーター・コリンソン 製作 マイケル・ディーリー 脚本 トロイ・ケネディ・マーティン 撮影 チック・ウォーターソン 、 ロニー・マース 、 ウォリー・バイヤット 音楽 クインシー・ジョーンズ   [amazonjs asin=”B000EWBUO4″ locale=”JP” title=”ミニミニ大作戦 スペシャル・コレクターズ・エディション DVD”]

キャスト

マイケル・ケイン チャーリー ノエル・カワード ブリッジャー マーガレット・ブライ ローナ ベニー・ヒル ピーチ教授(大女フェチ) トニー・バックレイ フレディ ラフ・ヴァローネ アルタバニ ロッサノ・ブラッツィ ベッカーマン
ミニミニ大作戦 (The Italian Job) 1969 英国制作 パラマウント配給

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